苦心の打線組み替えも…阪神32イニング無得点

[ 2011年5月22日 06:00 ]

<ソ・神>杉内に手も足も出ず、重苦しいムードが漂う阪神ベンチ

交流戦 阪神0-7ソフトバンク

(5月21日 ヤフーD)
 阪神が10年ぶりの3試合連続零敗を喫した。金本、ブラゼル、鳥谷を先発から外した苦心の打線組み替えも実らず、2試合連続でわずか4安打の惨状。ソフトバンク・杉内に完封を許し、連続無得点は32イニングまで伸びた。今季最悪の借金5を抱え、22日にも最下位転落の危機に立たされた。

 身上の不動心を曲げて動いても、事態は好転しない。屈辱的な0行進を見届けた真弓監督は珍しく語気を荒らげた。「取れんな。点が」。舌打ちにいら立ちも込めた。

 開幕から30試合目で大きく動いた。本来なら打線から消えるはずのない名前がない。ブラゼル、鳥谷は今季初めてのベンチ待機。右肩故障明けの金本は6度目の先発落ちで、いずれも久保の登板日と重なった。

 故障、不調など付随する理由はそれぞれでも、猛虎が誇っていた左の強打者3人を一斉に先発から外した。難敵左腕、杉内に対抗するために苦心して組んだ打線だった。

 「もちろん、そういうことで打順をいじったんだけど…。普通にやっていても、いまの状態では点を取れる気がしないしね…」。関本、新井良の右打者起用に加え、上位につながる9番には俊足の柴田を配置。機動力で揺さぶりをかけることも思い描いた。「でも、塁に出ないことには…」。不発に唇をかんだ。

 唯一の好機は3回、2死満塁まで攻めながら、3番に入った関本が二ゴロに倒れた。4回からは5イニング連続で三者凡退。攻撃陣が沈黙を続ける間に点差は広がっていった。3試合連続の零敗は01年4月以来、10年ぶりの屈辱。17日のオリックス戦の4回に得点を挙げて以降、32イニング無得点のトンネルが続く。今季2度目の3連敗で今季最悪の借金5まで後退した。

 大幅な打線組み替えという窮余の策まで尽くしたいま、苦境打開へ向けた有効な手立てが見あたらない。「その通り」。和田打撃コーチの表情も険しかった。

 本拠地の甲子園球場に戻る、22日の西武戦からはDH制が適用されず、さらなる攻撃力低下は必至。交流戦主催試合に合わせて復活する黒虎ユニホームが数少ない希望か…。昨夏の着用試合で猛威を振るった“平成ダイナマイト打線”の再現にすがるしかない。虎にシーズン序盤最大の危機が訪れた。

続きを表示

2011年5月22日のニュース