兄やん2世だ!ドラ2牧田、開幕ローテ浮上

[ 2011年2月20日 06:00 ]

白組先発の牧田は3回を無失点の好投

西武紅白戦 白組5―2紅組

(2月19日 南郷)
 腕は下げても評価は上げる。西武のドラフト2位・牧田(日本通運)が上々の実戦デビューを果たした。今キャンプ初となる紅白戦の先発に抜てきされたサブマリンは、捕手からの返球を捕ったら5秒もたたないうちに投げ込む小気味良いテンポで、3回を3安打無失点と好投した。

 「緊張はしたけど、1球投げたらほぐれました。メッタ打ちにあうかと思っていたけど、自分の投球をすれば打ち取れると思って投げました」

 アンダースローの投手は直球やカーブに角度を付けるために三塁側のプレートを踏むことが多いが、牧田は逆に一塁側を踏む。持ち球のシュート、シンカー、チェンジアップといった右打者の胸元に食い込み、左打者の外角へ逃げる得意球により角度をつけるためだ。

 「一塁側のプレートを踏んでいれば左打者の背中から外角へ落ちていく。一度体が起き上がるので、ボールがより遠く見える」。3回1死一塁、左の大島を迎えた場面。シュート、シンカーでファウルを奪い1ボール2ストライクから、102キロのチェンジアップで見逃し三振を奪った。視察したオリックスの石本スコアラーは「微妙に芯を外すいやらしい投手」との表現で警戒を強めた。

 全40球中、17球はシュート系。これにスライダーと、習得中のカーブが加わればストライクゾーンをさらにワイドに使える。牧田は「もう少し打たれた方がよかった。打たれたことで課題も見えてくる」とぜいたくな悩みを口にしたが、渡辺監督は「ウチは先発4枚(涌井、岸、石井一、帆足)は決まりだけど、残り2枚を争う中で今一番近いんじゃないの」と高評価。大石、菊池、西口、野上らと争う先発争いで一歩先に出た形だ。他球団はこのサブマリン右腕を新人扱いしない方がいい。

 【牧田和久あらかると】

 ☆プロフィル 1984年11月10日、静岡県生まれの26歳。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 静清工(現静清高)から平成国際大、日本通運を経て、昨年のドラフト2位で西武入団。大学では通算19勝を挙げ、社会人では昨季公式戦15勝1敗。

 ☆目標 同じサブマリンのロッテ・渡辺俊を尊敬。本紙の今月8日付「キャンプ追球」の「渡辺俊が操る世界一遅い80キロ台のカーブ」を実践して「一回まねしたら肩を痛めました」と苦笑い。

 ☆愛用品 1月6日の入寮時にファイテン社製の低反発枕と、社会人時代から愛用の抱き枕を持参。「最低でも7時間、多い時は12時間以上寝ます」

 ☆愛称 同じサブマリンで、80年代の西武黄金期を支えた松沼兄弟の兄・博久氏のニックネーム「兄ヤン」にちなみ「牧ヤン」を希望。「ファンの方に覚えてもらえたらうれしい」

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2011年2月20日のニュース