イチロー“マルチ王”へ加速!チームも6連勝

[ 2010年6月25日 06:00 ]

カブス戦の4回、2点打を放ちスタンドから喝采を浴びるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ8-1カブス】マリナーズのイチロー外野手(36)が23日(日本時間24日)のカブス戦で2安打2打点でチームを今季最多の6連勝に導いた。複数安打は今季両リーグ最多タイの34試合目。年間162試合で換算すると77試合ペースとなり、自己最多の年間80試合(04年)の更新も可能だ。1920年以降では大リーグ最多の85試合超えも期待できる量産ぶりだ。

 カブスの先発右腕ウェルズは球速が同じで、カット系、シンカー系と手元で左右に動くツーシームを操る。対応策を問われたイチローは「そんなことは明かせないですね。それは僕だけのもの。まあ、考え方としては(内にも外にも)どっちが来ても打てないと駄目ですね」と平然と言ってのけた。
 凡退した最初の2打席はその左右に動く球で打ち取られた。だが、すぐに対応する。2得点して逆転に成功した4回、なお2死満塁。内角からストライクゾーンに入るツーシームをコンパクトなスイングで中前へ2点適時打した。6回には投前へのバント安打で、今季両リーグ最多タイの34度目のマルチ安打(複数安打)を記録した。
 71試合で34試合とほぼ2試合に1度のペースで複数安打を記録する。年間では77試合ペースで、年間歴代最多の262安打をマークした04年の80試合超えも視野に入るハイペースだ。04年は71試合消化時点で32試合だっただけに、今後の爆発次第では、自己記録だけでなく1920年以降で最多のアル・シモンズが持つ85試合(1925年)の更新も期待できる。
 チームは6連勝。その間、投手陣がわずか3失点と投打がかみ合っている。イチローは「(連勝で)いい方に影響されるのはいいことじゃないですか。自分を追いつめることはない」と語る。勝利を重ねることで、チームの不振と切り離して記録と向き合ってきた苦しさも軽減される。
 2回には右翼線ポール際への大飛球をランニングキャッチ。「奥(行き)があることは分かっているから」。ファウルゾーンの一部に空間が広がる本拠地の特性を熟知したプレーだった。今季100安打へはあと2本。安打量産とともに、マルチ安打試合数も注目だ。

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2010年6月25日のニュース