ダルに勝った!1―0完封!マエケンじゃ~

[ 2010年5月16日 06:00 ]

<広・日>ダルビッシュとの投げ合いを制し、完封勝利を挙げた前田健

 【広島1―0日本ハム】マエケンがダルに勝った!広島は15日、0―0で迎えた9回に赤松真人外野手(27)の中前打で劇的なサヨナラ勝ち。先発の前田健太投手(22)は日本ハム・ダルビッシュとの壮絶な投手戦を制して今季初完封で6勝目をマークした。

【試合結果


 その瞬間、ヒーローの赤松に向かって夢中で駆け出していた。9回2死三塁。前田健の祈りが届いたかのように、鋭い打球が二遊間を抜けた。ダルビッシュに投げ勝った22歳の若き右腕は、初体験の感激に酔いしれた。

 絶対エースを相手に一歩も譲らなかった。4回まで1安打。その1本はダルビッシュに許したものだったが、得点は与えない。5回には先頭・糸井の打球が左翼フェンスを直撃。転々とする打球を中堅・天谷が素早く処理し、三塁を狙った糸井をアウトにしてくれた。8回には逆に自身のバットで「狙っていた」というスライダーを左翼フェンス手前へ。相手エースを青くさせる本塁打性の大飛球に「手応え十分。惜しかった」と笑った。
 「投手戦は覚悟してマウンドに上がった。ダルビッシュさんに乗せられて、僕もいい投球ができた」。相手は2学年上で同じ大阪出身。中学時代は自身が忠岡ボーイズ、ダルビッシュが羽曳野ボーイズに所属していた。その当時に遭遇した際の「でっかくて、凄かった」という残像は今も脳裏に焼き付いている。初の直接対決。援護がなくても粘り、我慢した。昨年は打線の援護に恵まれず14敗。それでも、どんな状況でも根負けしないのがエースだ。「最悪、勝ちが付かなくても0―0でいいと思っていた」。昨年の経験を生かした右腕に、野球の神様が最高のプレゼントをくれた。
 「苦しい投手戦というより、楽しかった」。これで日本ハム戦は4戦4勝。今季初完封で6勝目を挙げ、チームの連敗も3で止めた。121球。今季最多、3万1842人で真っ赤にスタンドを染めた広島ファンは、あらためて知ったに違いない。カープのエースは、これほどまでに成長したのか、と。

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2010年5月16日のニュース