松井秀 2年ぶりの左翼手弾!最速4号だ

[ 2010年4月24日 06:00 ]

<エンゼルス・タイガース>5回、インジの左飛を捕球する松井と注目する観客

 【エンゼルス4-5タイガース】エンゼルス・松井秀喜外野手(35)は22日(日本時間23日)、タイガース戦に「4番・左翼」で出場。8日のツインズ戦以来の守備に就き、5回に中堅左へ豪快な4号ソロを放った。守備に就いた試合で本塁打を放ったのはヤンキース時代の08年5月13日のレイズ戦以来709日ぶり。7試合ぶりの一発は空砲に終わったが、23日から本拠地に古巣ヤ軍を迎えての3連戦を前に「外野手・松井」の復活をアピールした。

【試合結果


 完全復活を感じさせる放物線が、球場名物の中堅左の岩山へ消えた。2点を追う5回。松井はタ軍バーランダーの10球目、外寄りの96マイル(約155キロ)直球をとらえた。

 「何本かファウルを打ったんですけど最後は直球が甘く入ってきた」

 2ストライク2ボールから5球連続でファウル。徐々にタイミングを合わせて失投を引き出した。選球眼に定評のある松井だが、ボール球に手を出さない確率はメジャー2位タイの6%を誇る。さらに2ストライクからの出塁率は・364。このデータからも分かるように、たとえ追い込まれても際どい球をファウルで逃げ、最後に甘い球を仕留めることができる。昨季19勝の最多勝右腕から自身初の長打は「好球必打」を身上とする松井らしい一撃だった。

 この日は13試合ぶりに左翼で先発。守備に就いての本塁打は2年ぶりとなった。「守備がどこまで(打撃に)影響を及ぼしたかは分からないけど、ずっとグラウンド上にいるから、そういう意味ではやりやすい」。守ることでリズムが生まれ、打撃に好影響を与えるというのが持論。ただし、この日は勝手が違った。

 西海岸らしからぬ寒波の影響で、試合開始時の気温は13度。実は「寒い日は守っていても寒いからDHの方が準備はしやすい」という。両足にホットクリームを塗り、上半身はハイネックで厚手のアンダーシャツのフル装備で臨むと、序盤の3回だけで5度、計6度も打球を処理した。クッションボールをつかみ損ねたり、本塁への送球がそれた場面もあったが「基本的には大丈夫。足の方も大丈夫だったのでよかった」。打球に反応してダッシュを繰り返したことで、寒さの中でも体の切れは増していた。

 17試合目での4号到達はメジャー8年目で自己最速。シーズンでは38本ペースだ。4本中3本は中堅から左方向と広角に打てることで量産も見込める。最近2年間でア・リーグ本塁打王は30本台でもあり、初の本塁打王も狙える位置にいる。

 9回は一ゴロに倒れ最後の打者となったが、23日からはヤンキース戦。前回は1勝2敗と負け越しており「ヤンキースは状態がいいですからね。何とかそれを止めて勝てるように頑張りたい」。メジャー通算1000安打にあと4、日米通算1500打点には残り3。古巣を倒す奮闘を見せれば、おのずと節目の記録を刻むことになる。

 ≪4月の4本塁打は2年ぶり≫過去、自身最速の17試合目で4号を放った松井。4月の4本塁打は08年以来2度目だ。162試合で換算すると、38・1本ペースとなる。ア・リーグの本塁打王を見ると、08年はカブレラ(タイガース)の37本、昨年はペーニャ(レイズ)、テシェイラ(ヤンキース)の39本だった。このペースを守り続ければ、松井が本塁打王争いに絡む可能性は高い。

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2010年4月24日のニュース