省エネで1回ピシャ!上原、手応えの8球

[ 2010年3月6日 06:00 ]

1回を8球で片づけた上原(撮影・青木芳治通信員)

 【オリオールズ5―6レイズ】オリオールズの上原浩治投手(34)が4日(日本時間5日)、フロリダ州ポートシャーロットでのレイズ戦にオープン戦初登板。昨年6月23日のマーリンズ戦以来、254日ぶりの実戦マウンドとなったが、1回をわずか8球で3者凡退に打ち取った。メジャー1年目の昨季は度重なる故障でわずか2勝(4敗)止まり。正念場の契約最終年は無駄を省いた新フォームで、復活への第1歩を踏み出した。

 少し物足りないくらいの再出発だった。3回から3番手で登場し、先頭の俊足ペレスの投前へのバントを無難に処理して仕留め、続く巨人時代の同僚・キャプラーは初球で詰まらせ中飛。最後は強打者クロフォードも左飛に打ち取った。「もうちょっと投げたかった。まあ末広がりで、いいんじゃないですか」。待ち望んだ久しぶりの実戦マウンドは、直球のみ、わずか8球で終了した。
 夢にまで見たメジャー1年目は、左太腿、右ひじの故障で後半戦を棒に振った。オ軍入団を決断する決め手となった先発投手の座も失った。救援としての再出発へ、今キャンプから投球フォームの改造に乗り出した。
 昨季までは投球動作時に、左足を引いた後にグラブをおなかの位置へ落としていたが、胸の位置でキープしたまま投げ込む。その差はわずか15センチだが、無駄を省いたことで上体が安定。武器である制球力により磨きがかかる。「もっとコントロール。まだ投げ切れていない。1球が、中継ぎというのは命取りになりますから」。巨人時代に抑えを経験し、失投の怖さを分かっているからこそのマイナーチェンジだ。
 「コウジは汗もかかないほどだったな。きっちりストライクを投げられていた」とトレンブリー監督はあらためて高い制球力を評価した。次戦は8日(日本時間9日)のツインズ戦を予定。「相手もまだ打ち始め。シーズン中のスイングじゃないし、参考にならないかな」と上原は感慨に浸るまでもなく、先を見据えた。「朝起きたら、まずひじのことを気にします。それは多分消えることはない」。背水の陣で臨む契約最終年。上るべき階段はまだ山ほどあるが、ようやくマウンドに、背番号19が帰ってきた。

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2010年3月6日のニュース