左の代打で1軍だ!ブーちゃん中田プロ初アーチ

[ 2010年3月2日 06:00 ]

<中・ロ>3回裏(中)無死、中田亮は右越えに1号ソロを放つ

 【中日4-4ロッテ】中日のドラフト3位・中田亮二内野手(22)が1日、ロッテとのオープン戦(ナゴヤドーム)でプロ初アーチを放った。7番DHで先発出場して、3回の同点ソロを含む2安打2打点と打撃センスを見せつけた。球界最重量の体重120キロ。その体形から「ブーちゃん」の愛称で人気急上昇中の中田亮が、実力で開幕1軍の座をつかもうとしている。

 肉が揺れる。胸のボタンがはち切れんばかりのユニホームで中田亮は、ダイヤモンドを1周した。120キロの巨体だが、単なるパワーヒッターではない。1点を追う3回、先頭の打席。小野の130キロ低めのスライダーをうまく、そして豪快に右翼席へと叩き込んだ。

 「積極的に打ちにいこうと思った。真っすぐ待ちで、しっかり対応できた。自分が今持っているものを出すだけです」。目を細くして、人懐っこい笑顔で振り返った。続く5回1死三塁では、外角の球をバットを放り出すように左前へ技ありの同点打。塁上では盗塁の気配を盛んに醸し出して、マウンドのコーリーのボークを誘うなど、実戦の中で存在感を示した。

 身長は1メートル71で公称115キロも、現在の体重は120キロ。ベルトの上におなかが乗っているアンコ型、中田亮の持ち味は柔らかいバットコントロールだ。内角が窮屈になりがちな体形だが、ミートポイントを体より前の投手寄りに置くことでカバー。ポイントを前にすることで内角も変化球にも対応して広角に打ち分ける。例えるならテニスラケットを振るイメージだ。中田亮の獲得を強く推した石井スカウトは「テニスの打点と一緒。彼は常に前でさばける。柔らかい筋肉も天性のもの。体はハンデになっていない」と強調する。

 この体形で50メートルを6秒4で走る俊敏さもある。「立浪と井上がいなくなって必要だし、そういう選手はありがたい。パーツとして面白い」と辻野手総合コーチ。本職の一塁はブランコがいるが、左の代打なら開幕1軍の可能性は十分にある。

 ブーちゃんの愛称で先輩に可愛がられ、ファンの人気も急上昇。だが、もはや話題性だけじゃない。「今まで代打はあまりないけど、結果を出すだけ」。その細い目で開幕をしっかり見据えている。

 ◆中田亮二アラカルト
 ☆名前 中田 亮二(なかた・りょうじ)
 ☆生年月日&データ 1987年(昭62)11月3日、大阪府出身の22歳。右投げ左打ち。血液型A。
 ☆サイズ 身長1メートル71、体重は入団時に115キロも、自主トレ中に118キロとなり、現在本人いわく「120キロぐらい」。入団時のユニホーム採寸で胸囲127センチ、ウエスト117センチ、ヒップ123センチ、太腿回り66センチ。
 ☆球歴 小4から野球を始めて、高知・明徳義塾2年夏の甲子園3回戦で横浜高の涌井(西武)から本塁打など高校通算44本塁打。亜大1年春から一塁手で出場。東都リーグ史上6位の通算103安打。
 ☆愛称 亜大時代から「ブーちゃん」。昨年の入団発表時も「ブーちゃんと呼んでください」。キャンプ中は高木ブーさんの訪問も受けた。
 ☆好物 鶏の空揚げ。「一番好きな食べ物」と公言。一度に100個食べたことも。
 ☆苦手 長距離走。自主トレ、キャンプは常に周回遅れで最下位。

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2010年3月2日のニュース