厳しい戦いだが…松坂 チャンスは5試合

[ 2010年3月2日 06:00 ]

遠投後にファレル投手コーチ(右)に状態を報告したレッドソックス・松坂(中央)

 今季に復活を期すレッドソックス・松坂大輔投手(29)のオープン戦登板が3月中旬以降にずれ込むことが確実となった。テリー・フランコナ監督(50)が28日(日本時間1日)、背中に張りを訴えて調整が遅れている松坂について、オープン戦登板まで慎重に調整を行わせる方針を示した。実戦マウンドが限定されることで、開幕時は4人で構成される先発ローテーション入りへ厳しい戦いとなるのは必至だ。

 ゴーサインは出なかった。松坂はこの日、自ら投球練習再開の目安と話していた約50メートルの遠投を含め、強めのキャッチボールを約25分間。練習後には「いつでも(ブルペン入りの)準備はできています」と自信を見せたものの、首脳陣は慎重なスタンスを貫いた。ブルペン投球は早くても3日(日本時間4日)となる見込みで、その後についてもフランコナ監督は「通常の回復を考えて(メニューを)組む。近道させるつもりはない」と力説した。

 指揮官の言うメニューとは、他の先発投手同様に、オープン戦初登板までにブルペン投球3度、フリー打撃登板1、2度を挟んでの調整を意味する。ブルペン投球を3日から再開したとして、1日置きにメニューをこなしても10日近くかかる計算だ。オープン戦復帰は早くて15日前後となり、開幕まで多くても5試合程度となる。

 先発ローテーション争いを考えた場合、ベケット、レスター、ラッキーの3本柱は確定。残り2枠を松坂、昨季11勝のウェークフィールド、同7勝のバックホルツで争う。ここまで順調な調整を続ける他の投手陣は7試合前後の登板がある一方、松坂は5試合しかない。このため、当然、首脳陣の不安を払しょくする投球内容が求められる。
 さらに、5番手という位置付けになれば、4月18日のレイズ戦まで公式戦での登板機会が回ってこないことが予想される。レ軍は今季の開幕直後に3度の休日があり、先発陣は4人で回すことができるからだ。

 ファレル投手コーチは「大輔には5日に1度マウンドに上がってもらい、07年(15勝)、08年(18勝)のような活躍をしてもらいたい」と期待を寄せるが、松坂は自身の置かれた状況を誰よりも分かっている。「今年は最初から決まっていることなど何もない」。昨季4勝からの復活を果たすには、3月の限られた戦いを勝ち抜くしかない。

 ≪田沢 2度目フリー登板でまずまず≫中継ぎで開幕メジャーを目指すレッドソックスの田沢は、キャンプ2度目のフリー打撃に登板。柵越えを1本許したが、29球を投げて安打性の当たりはこの1本だけだった。まずまずの内容に、「直球も変化球も前回より良かった。(今後は)自分の球を磨きながら結果も残していきたい」と笑顔。昨シーズン以来バッテリーを組んだ主将バリテックも「(決め球の)フォークに切れ、落差があった。非常にいい内容だった」と高評価を与えた。

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2010年3月2日のニュース