マー君ついに初ブルペン!新「長持ち投法」だ

[ 2010年2月6日 06:00 ]

キャンプで初めてブルペンに入って50球を投げ込んだ田中

 楽天の田中将大投手(21)が5日、沖縄・久米島キャンプ第2クール初日に初のブルペン投球を行った。1月中旬の自主トレ中に右足首に違和感を覚え、これまでブルペン入りを回避してきたが、球威十分の直球を含む50球を投げ込み、不安を一掃した。昨季リーグ2位タイの15勝を挙げた右腕は、リリースポイントを打者寄りにするフォーム改造にも着手。4年目のシーズンでさらなる飛躍を目指す。

 はやる気持ちを抑え切れず、田中は駆け足でブルペンに入った。右足首の違和感で自主トレ中も封印してきたブルペン投球の解禁。1球1球感触を確かめながら、捕手を立たせて50球を投じた。
 「初ブルペンでちょっと力みもあったけど、何球かいい球もあった。軸足(右足)への体重の乗り具合を確認しながら投げました。右足首も問題ないです」
 単なる初ブルペンに終わらないのが田中らしかった。フォーム修正の2年計画第2弾だ。昨年のキャンプでは投球時に踏み出す左ひざの開きを修正し、自己最多の15勝をマーク。1年目の下半身に続き今季は上半身の改良による「長持ち投法」がテーマだ。佐藤コーチは「リリースポイントをできる限り遅らせることで、球に回転をつけて切れを出すことができる。上体を前に倒してから球を離すのが理想」と説明。完成型に近づけば田中が理想とする「スピンの利いた球」につながる。
 新フォームの利点はそれだけではない。佐藤コーチは「無駄のないフォームを覚えれば15回でも投げられる。スピードも155キロは出ると思う」。これまでは左肩を開き力任せに投げる悪癖が時折、顔をのぞかせ、毎年のように右肩の痛みを訴えた。球持ちの向上には左肩の開きの矯正が必須条件。「今の投げ方でも15勝はできるけど、この先10年やるために体に負担のないフォームを覚えてほしい」。佐藤コーチは投手生命を延ばす効果もある文字通りの「長持ち投法」と強調する。不安視された1月の自主トレで痛めた右足首も、投球後はユニホームの右足首内側はマウンドの土がべっとり。佐藤コーチは「体重移動がしっかりしている証拠。いい球投げていたし、足首の心配はないよ」と話した。
 「監督から“ゆっくりやれ”と言われている」。例年より出遅れたが、焦る必要はない。2年計画の完成型となる「長持ち投法」という確かな目標。田中の4年目の進化への足取りに全く揺るぎはない。

◆田中のキャンプ初ブルペン
 ▼07・2・1 前日は卒業試験を受け北海道から那覇へ大移動。その翌日にもかかわらず初日からブルペン入りし、すべて直球の63球を投げ込んだ。野村監督から直接指導される場面もあり「初日にしてはまずまずでした」と振り返った。
 ▼08・2・1 初日からブルペン入りし、変化球も交えて38球を投げ込んだ。新人王を獲得して迎えたプロ2年目で野村監督は「マー君、2年目のジンクス何するものぞ。ちょっと心配していたけど心配いらないな」と安心していた。
 ▼09・2・1 1軍全20投手がキャンプ初日からブルペン入りする中、田中も変化球を交えて88球。「予定(50球)より多くなった。初日では今までのキャンプで一番いい感じだった」

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2010年2月6日のニュース