キャンプ中に…小瀬浩之外野手、飛び降り自殺か

[ 2010年2月6日 06:00 ]

2月4日、シートノックでライトの守備する小瀬選手

 オリックスの小瀬浩之(おぜ・ひろゆき)外野手(24)が5日、キャンプ地の沖縄県宮古島市内のチーム宿舎(4~11階建て)で転落死した。午前11時45分頃、建物の一部である2階部分の屋根で死亡しているのを駆け付けた救急隊員が見つけた。詳しい死因や動機は不明ながら、県警は飛び降り自殺したとみて、詳しい状況を調べている。春季キャンプ中に選手が死亡する前例のない事態に、球界に衝撃が走った。

 午前11時すぎ、ホテルの男性従業員が2階部分の空調スペースで大量に血を流して倒れている小瀬選手を発見した。同11時37分に119番通報して救助を要請。通報から6分後に宮古島消防本部上野出張所の救急隊員が現場に到着した際には、すでに意識不明の状態だった。同出張所は「意識と呼吸がない状態。死後硬直で傷口がふさがっていた」と説明した。
 ホテル高層階の非常階段部分から飛び降りたとみられる。後頭部の損傷が激しく即死状態だった様子。あおむけに倒れ、靴は履いていなかった。午後には球団関係者が遺体を確認。現場検証にあたった宮古島警察署は事件性はないと判断した。
 球団では午後8時から宿舎で村山良雄球団本部長が会見を開き「バファローズにとってなくてはならない選手。一緒にやってきた仲間を失って、何を申しあげていいか分からない状態。頭の中が真っ白。若くて将来を有望視されていただけに大変残念な気持ちです」と沈痛な面持ちで語った。
 自殺か事故か、遺書の有無など詳細は「警察で調査中」という理由で明かさなかった。6日に父の富雄さん(63)や由紀子夫人(25)らが宮古島入りし、遺族が本人確認をした上で警察側から死因などが正式発表される見込みだ。
 小瀬選手は3年目の俊足好打の外野手で「イチロー2世」の呼び声が高く、1年目後半から1軍に定着。昨季は78試合出場で打率・303を記録するなど今季はレギュラー獲りも期待されていた。あこがれのイチローには一昨年オフの自主トレから弟子入り。イチローから「天才やろね。人が持ってない動きを持っている」と高い評価を受け「ホゼ」と命名されるなど可愛がられていた。

 ◆小瀬 浩之(おぜ・ひろゆき)1985年(昭60)9月2日、大阪府出身。尽誠学園では2年春にセンバツに出場し8強。近大では1年時からベンチ入りしリーグV5度。首位打者2回、MVP1回を獲得するなど1番打者として活躍。07年の大学・社会人ドラフトでオリックスから3巡目指名を受け入団。08年7月15日ロッテ戦(千葉マリン)で「9番・左翼」で先発でプロ初出場し初安打と初盗塁もマーク。1軍通算成績は136試合で打率・287、1本塁打、30打点、年俸2500万円。背番号41。1メートル80、73キロ。右投げ左打ち。

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2010年2月6日のニュース