栗山先生 菊池を直撃!西武との“縁”語る

[ 2009年12月11日 06:00 ]

再会した栗山氏(右)と菊池はガッチリ握手

 【栗山英樹が直撃!雄星の真実 第1回】雄星の進化はプロ入りしても止まらない。スポーツキャスターの栗山英樹氏(48)が、花巻東(岩手)からドラフト1位で西武に入団した菊池雄星投手(18)を直撃。日米争奪戦の末に日本球界を選んだ菊池の本音に迫った。メジャー断念の決断からプロでの決意、理想の投手像まで、5回にわたって連載する。なお、インタビューのもようはテレビ朝日系列「GET SPORTS」(13日24時15分から。一部地域を除く)で放送される。

 8月の甲子園から約4カ月。栗山氏は髪形が変わった菊池と再会を果たした。体つきは全く変わっていなかった。
 栗山「ごぶさたしてます。プロ入りおめでとうございます。今はもう落ち着いた感じですか?」
 菊池「そうですね。今はもう野球に集中できますね」
 栗山「この時期はトレーニングに集中していますか?」
 菊池「キャッチボールもやるんですけど、体を大きくすることですね。今は体がどこも痛くないので、ベストの状態でキャンプに入れると思います。球団からは走り込みをやっておけと言われています。太らずにきているので、いい形でいけると思います」
 栗山「普通は高校野球が終わったり大学野球が終わったら、ふっくらすると思うけど、物凄い締まった体ですね?」
 菊池「これからが大事なので。プロに行くことではなくて活躍することが目標だったので。もう一回、体をつくっています」
 栗山「現役の時と生活が変わらないんですね。トレーニングは週に5、6日やっている?」
 菊池「そうですね。変わるのが怖い。週に6日間やってますね。引退したとは思っていない。終わりはないと思っているので。夏の大会が終わって引退ではない。引退するっていうのはプロが終わる40歳とかですね。3年間の高校野球が終わったからストップではないんです。長期的なスパンで見た時に終わりではない。変な話ですけど甲子園で負けたのは悔しいですけど、長いシーズンの中で1回負けたつもりでとらえています。1敗しただけだと思ってますね」
 栗山 「ヤンキースのジーターは20年間を1つの区切りと考えるという話を聞いたことがありますが、まさにその通りなんですね」
 菊池「そうですね。そういう意識でやっています」

 10月29日。運命のドラフト会議では西武、阪神、ヤクルト、楽天、中日、日本ハムの6球団が菊池を1位で指名。競合の末、交渉権獲得の当たりくじを手にしたのは、一番最初にくじを引いた西武の渡辺監督だった。振り返れば、菊池と西武には数々の縁があった。
 栗山「プロ入りする球団は西武に決まりました。西武にはどんなイメージを持っていますか?渡辺監督も高卒ですぐにチームを引っ張った。人間的にも素晴らしいし。縁を感じるんですけど、どうですか?」
 菊池「寮とか見ても野球に専念できる環境だと思います。ドラフトの時の渡辺監督のガッツポーズは今でも忘れないです。あのガッツポーズを見て期待の大きさを感じました。渡辺監督は凄い投手だったと聞きましたし、高校野球でも凄くてドラフト1位でしたし。渡辺監督に限らず、西武が一番最初に面談してくれましたし、最初に(球場で)プロ野球を見たのも西武。最後に見たのも西武の試合だったんです」
 栗山「最後に見た試合で印象に残っている選手はいますか?」
 菊池「松坂さんが投げていました。僕が中3の時ですね。岩手に来て、松坂さんの最後の年で4月くらいの寒い時期でした。ブルペンの近くで見ました。腕の振りが見えなかったです。速すぎてボールも見えなかったです。(試合を見た)最初と最後とか、いろいろな縁は感じますね」
 栗山「へえ、そうなんですか。子供の頃はどこのファンだったとか、このチームの試合を見ていたとかはありますか?」
 菊池「こっちでは(テレビで)巨人戦しか映らないので巨人を見る機会は多かったですね。個人的には好きな選手はいっぱいいました」
 栗山「工藤投手とかは当時から好きな選手だったんですか?」
 菊池「そうです。あとは涌井さんは甲子園の時から凄いピッチャーだと思っていました。今でも覚えています。プロに入ったら学びたいと思います」
 12月9日。菊池は都内のホテルで入団会見に臨んだ。背番号17のユニホームに初めて袖を通した。西武の一員となった瞬間だった。

続きを表示

2009年12月11日のニュース