復活なるか駒大苫小牧 監督は“あの時”の主将

[ 2009年11月22日 07:27 ]

 全国高校野球選手権大会で2004、05年に連覇を果たしたものの、07年夏を最後に甲子園出場から遠ざかっている北海道の駒大苫小牧高野球部に、社会人1年生のOB監督が誕生した。V1時に主将を務めた佐々木孝介監督(22)。選手時代と同様、「目標は全国制覇」と意気込む。

 高校卒業後、駒大に進学して野球を続けていた佐々木監督に転機が訪れたのは3年生だった07年春。学生コーチ就任を持ち掛けられたが「選手への未練があってやる気が起こらず、目標を失っていた」という。
 しかし同年夏、母校の臨時コーチとして甲子園に同行した経験が将来を決めた。「久しぶりにあの雰囲気に触れ、やっぱりいいな、と。迷いが消えた瞬間でした」
 部顧問を経てことし8月から監督に。就任要請に「最初はどうしようと思った」と笑うが、誰にも相談せず決断した。「OBとして、何とかもう一度“駒苫”を全国にという思いがある」。恩師の香田誉士史元監督が昨年3月に退任して以降、全国大会に出場できず、1年生部員が5人という状況も背中を押した。
 丸刈り頭の指揮官について、静岡県富士市出身の2年生部員、竹内大貴は「グラウンドに入るとスイッチが切り替わる。とにかく野球に熱い人です」ときっぱり。同校の小玉章紀校長も「謙虚さの中にも信念がある。前向きな彼の姿勢に懸けてみたい」と期待する。
 初の公式戦となった秋季大会は全道ベスト4で終わった。「本当に、むちゃくちゃ悔しかった。自分以上に勝ちに飢えている部員とともに必ず雪辱します」。強豪復活を目指す新米監督の口調に力がこもった。

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2009年11月22日のニュース