松井稼 通算2019安打でスイッチ打者日本一!

[ 2009年9月12日 06:00 ]

 【アストロズ7―9ブレーブス】アストロズの松井稼頭央内野手(33)が新たな金字塔を打ち立てた。10日(日本時間11日)のブレーブス戦に2番・二塁で出場し、2安打2盗塁。今季26度目の複数安打で日米通算2019安打とし、柴田勲氏(65=元巨人)が持つ日本人両打ち打者の最多安打2018本を超えた。96年にスイッチ打者に転向以来、14年目で頂へと上り詰めた。

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 節目の安打は足で稼いだ1本だった。3回1死一塁、左打席に入った松井稼の打球は、やや三塁寄りに転がった投手へのボテボテのゴロ。しかし先発ローが打球の処理にもたつく間に快足を飛ばして一塁を駆け抜けた。先月の日米通算2000安打に続く内野安打での記録達成となった。
 「(日本の)記事を見て(新記録まで)2本って知った。見てなかったら全然知らなかった。ラッキーなヒットもあったけど粘り強くいけた。まだピンとこないけど、スイッチにしか分からないこともあると思う」
 初回、通算打率・400のローが投じた足首付近へ低く落ちたツーシームをすくい上げて左前へ運んで柴田氏の記録に並ぶと、3回に新記録を達成した。2000安打では2試合足踏みしたが、今回は一気に記録を更新。試合後は大事に記念球をクリアケースに入れて保管した。
 1メートル78、83キロと決して体が大きいわけではない松井稼の武器は、ずばぬけた瞬発力だ。筋肉を構成する筋線維は、持久力に優れた遅筋線維と、瞬発力やスピードを生み出す速筋線維に分かれる。宮本英治・個人トレーナーは、松井稼は「速筋線維」が特に優れていると分析する。
 「一流のアスリートになればなるほど速筋繊維は柔らかいが、稼頭央のはゴムまりのよう。あの柔らかさは(テレビ番組の)筋肉番付で一緒になって触ったヒクソン・グレイシー並み」。96年に右打ちから両打ちに転向。左打席ではスピードを生かした内野安打も増えたが、それを生み出したのもブラジル出身の総合格闘家に匹敵するという筋肉があったからだ。
 3年連続100安打をクリアし、4月28日以来の1試合2盗塁もマークした。今季出場試合も111試合で大リーグでのシーズン自己最多まで3に迫った。「また1本ずつ積み重ねていきたい」。最強のスイッチヒッターは記録にも浮かれることなく前を見据えた。

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2009年9月12日のニュース