上原4・8“元・巨人対決”でデビュー

[ 2009年4月2日 06:00 ]

 オリオールズの上原浩治投手(33)の公式戦デビュー戦が、8日(日本時間9日)の本拠地でのヤンキース戦に正式に決まった。デーブ・トレンブリー監督(57)が31日(同1日)明言した。かつてエースと主砲として巨人を支えたヤ軍の松井秀喜外野手(34)と、大リーグの舞台で念願の真剣勝負に挑む。その後も4月はレンジャーズやレッドソックスなど強力打線を誇るチームとの対決が待ち受け、上原には“試練の5番勝負”となる。

 その言葉には絶大な信頼感がにじみ出ていた。ベンチで会見したトレンブリー監督は「2戦目はコウジに任せる。経験があり、成功を収めている。それが彼を獲得し、ガスリーとともにローテーションのフロントに置く理由だ」と力説した。
 日本での実績を考慮し、指揮官はキャンプ序盤から2戦目の先発を公言していた。しかし、3月10日に左太腿裏の張りを訴えたため、一時白紙に。オープン戦先発を2試合飛ばし、慎重に回復具合を見てきたが、24日の復帰戦で3回2/3を1失点7奪三振と好投。完全復活と見た首脳陣は、エース右腕ガスリーに続く2戦目に上原を起用することを正式に決定した。
 念願のメジャーデビューの相手としては申し分ないヤンキース。上原はこの日は「相手は関係ない。自分の投球をするだけ」と無関心を装ったが、最も意識する選手が、4番に座るであろう松井であることは間違いない。1月の入団会見では「初めて真剣勝負ができる」と心を躍らせ、キャンプ中も「一番興味のある打者は松井さん」と語っている。巨人時代には頼もしい存在だった主砲との真剣勝負を、誰よりも心待ちにしてきた。
 もちろんマークするのは松井だけではない。ヤ軍は今季、5年連続30発100打点以上の大砲テシェイラを獲得。スイッチヒッターを含め6人並ぶ左打者の攻略がカギを握る。そのためキャンプでは直球とフォークだけでなく、左打者を想定し、内角にカットボール、外角に新球チェンジアップという組み合わせも意識的に練習している。
 その後も厳しい戦いが待ち受ける。5人で回すローテーションの順番通りなら、2戦目は昨季チーム打率、得点いずれもリーグ1位のレンジャーズ、さらに07年世界一のレッドソックス、再びレンジャーズと対決した後、今オープン戦24勝6敗、チーム打率・324を誇る西地区王者のエンゼルスと続く。4月は強敵ばかりだが、そこで結果を残せば上原の全米での注目度も一気に上がる。
 次回はオープン戦最終登板となる3日のナショナルズ戦。「今までは一度も振っていないけど、自分の投げたいようにさせてもらう」と本番さながらの投球となる。日本人先発投手としては開幕2戦目は最速デビュー。周囲の大きな期待を受け止め、背番号19が4・8のマウンドに立つ。

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2009年4月2日のニュース