静かなるエース今村初失点も“決勝完封宣言”

[ 2009年4月2日 06:00 ]

<清峰・報徳学園>連続無失点イニングは「33」で止まったものの完投した清峰・今村

 【清峰4―1報徳学園】あと1つ。3年前と同じ高さまで来た。清峰のエース今村は「今度こそは優勝したい」と強い口調で言い切った。8回に1点を失って、今大会の連続無失点は33イニングで途切れたが、「初失点?チームが勝てばいい」と余裕の完投勝利だった。

 初回無死一塁、1死一塁から2度エンドランを仕掛けられたが、動じることはなかった。ここまで通算21塁打で大会新記録を打ち立てていた報徳・平本も4打数無安打と完全に封じ込めた。
 いよいよ、決勝では大会No・1投手の座を懸けて、MAX152キロ左腕の花巻東・菊池との直接対決。「予想していた。菊池君はいい投手なのでロースコアの試合になるでしょう。疲れはほとんどないし、今までやってきたことを100%出したい。緩急を使って、絶対に0点に抑えたい」。試合中は決して感情を表に出さない男が、珍しくライバル心をむきだしにした。
 いくつもの試練を乗り越えて強くなっただけに負けるわけにはいかない。昨夏の甲子園2回戦・東邦戦で先発を託されたが「周りが何も見えなかった」と5失点。感情をポーカーフェースで隠すのは、弱い自分を知ったからだ。背番号1を託された昨秋からはビデオを何度も見直し、1日200球の投げ込みで不振から抜け出した。
 この日は9奪三振に終わり、江川(作新学院、元巨人)らに並ぶ大会タイ記録の4試合連続の2ケタ奪三振はならなかったが、今村の目にはもう頂点しか見えていない。3年前の決勝。0―21で横浜(神奈川)に大敗した先輩たちの無念は自らの右腕で晴らす。

 ≪4番・山崎“帳消し以上”の4安打全打点≫ここまで3試合で10打数1安打と不振だった清峰の4番・山崎が先制本塁打を含む4打数4安打4打点。「迷惑掛けてばかりだった。4本打てたことで、帳消しにしてくれたら」と照れくさそうに笑った。2回戦後、体が開き気味だったフォームを修正。軸足にためをつくることを意識した。山崎は「先輩たちは準優勝。どこが相手でも絶対に勝ちます」と鼻息も荒かった。

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2009年4月2日のニュース