今村3度目完封!清峰2度目の挑戦で初頂点

[ 2009年4月2日 17:18 ]

初優勝を決めマウンドでガッツポーズする清峰・今村投手(右から2人目)に抱きつく捕手川本と、駆け寄る一塁手山崎(3)、三塁手屋久(左)

 【清峰1―0花巻東】飛球が左翼手のグラブに収まるのを見届け、清峰の今村が両手を突き上げた。「やっと終わった。きつかった」。1回戦から淡々とアウトを積み重ねてきた右腕が初めて感情を爆発させた。リードは1点。9回2死一、二塁を耐え、小さな町の公立校が甲子園で長崎県勢初の頂点に立った。

 この日の今村は球に普段の切れがなかった。「腕が振れなかった。きのうの疲れが残っていたが、バックが良く守ってくれた」。要所で三振を奪ういつもの投球ではなく、打たせて取った。序盤から硬さが見えた花巻東の守備陣に対し、清峰は堅実に守り、捕手の川本は相手の自慢の足を封じた。
 昨秋の1試合平均失策2・1は出場校でワースト。「今村を助けたい」(屋久主将)と冬場は手でボールをころころと転がして捕る練習からやり直した。今村自身も、周りが見えずに2回戦で敗れた昨夏から大きく成長。表情を変えず、ピンチになるほど力を発揮した。5試合を投げて3完封。44イニングで1点しか与えなかった。
 3年前、同じ舞台で清峰は屈辱を味わった。初出場で決勝まで進み、吉田監督は「選手もわたしも浮ついていた」と振り返る。結果は決勝での史上最多得点を献上し、0―21の惨敗だった。
 「今までで一番勝ちたい試合だった。悔しい思いをした選手たちに、恩返しできたかな」。2度目の挑戦でつかんだ栄冠に、吉田監督は目を潤ませた。

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2009年4月2日のニュース