“注目の左腕”1点に泣く「野球の神様がまだ早いと…」

[ 2009年4月2日 16:13 ]

<清峰・花巻東>7回表清峰2死一塁、橋本(奥)に中越え先制二塁打を許した菊池

ちょっとの差?重い1点…涙こらえる佐々木監督

155センチの2番打者、全打席出塁もホームは遠く…

「力んでしまった」好機に凡退の主将 夏の雪辱誓う

津軽海峡渡ったけど…越えられない“白河の関”

 【花巻東0―1清峰】花巻東・菊池の左腕に託された東北勢の悲願は、ならなかった。許した点はわずか1。しかし、その1点が優勝旗の行方を残酷にも決めた。
 0―0の7回だった。簡単に2死を取りながら、嶋崎に対してストライクが入らない。ストレートの四球。続く橋本の3球目、自信を持って投げ込んだ直球が真ん中高めに浮いた。「1番練習してきたストレート。思い切り腕を振ったので後悔はない」。打球は無情にも中堅手の頭上を越え、スコアボードに「1」が刻まれた。
 実は、肩もひじにも痛みがあったという。救援登板した準々決勝から3日連投。「全身が疲れていた。試合前からずっと(肩とひじが)張っていた」。それでも、走者を背負いながら、7回のほかは無失点。「岩手のために負けられない」と自らを鼓舞した。
 最後の打者の飛球が左翼手のグラブに収まった瞬間、二塁走者だった菊池の足はホームベースのすぐ手前だった。1点が、最後まで遠かった。
 東北勢の悲願は夏に持ち越された。「野球の神様が優勝はまだ早い、日本一の投手になって甲子園にまた戻ってこいと言っているんだと思う。夏に向け、またあしたから頑張りたい」。止まらなかった涙が乾いたあと、菊池はそう言って前を向いた。

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2009年4月2日のニュース