あと1本が…阪神 141試合目で陥落

[ 2008年10月9日 06:00 ]

巨人に7連敗し、今季初の首位陥落。厳しい表情で引き揚げる阪神・岡田監督

 【巨人3-1阪神】これまで必死に積み上げてきたものが、ガラガラと音を立てて崩れていく。阪神は開幕から守り続けてきた首位の座から、141試合目で陥落。試合終了と同時に、左翼の虎党からはため息とともにメガホンが何個も投げ込まれた。「何とかピッチャーはしのいだが…。追いつく場面はあったけど、追いつけんかったからなあ」。岡田監督の言葉にも力がなかった。

 最後まであと1本が出なかった。6日のヤクルト戦(神宮)で左手に死球を受けたばかりの赤星が3安打と奮起。4回からは5イニング連続で得点圏に走者を進めた。しかし得点を奪ったのは6回、矢野の押し出し四球での1点だけ。ガッツポーズで喜んだベテランだったが、試合後は金本、新井、赤星も…。誰もが無言のままだった。

 10・8。試合前に岡田監督は「語呂合わせで何の日や?10と8をかけて80の日よ」。80は自身の背番号。原監督に対抗し、自らを鼓舞するようにそう話していた。試合開始直前にはベンチ裏に首脳陣、選手、裏方とすべての関係者が集合。異例の全員ミーティングを行った。決戦。自身も普段のようにベンチには座らず、立ち上がって指揮を執った。しかし待っていたのは、9年ぶりの巨人戦7連敗という結果だけだった。

 これで残り3試合すべてに勝っても、巨人が2勝した時点で優勝をさらわれる。3年ぶりのリーグ制覇は風前のともしびだ。「最後まで分からんわけやから…」。そうつぶやいた岡田監督。切れそうな細い糸を、必死で手繰り寄せるしかない。

 ≪球児「きょうに限っては相手が上」≫崖っ縁に追い込まれても守護神は前を向いた。2点を追う8回に藤川がマウンドへ。8番からの打者3人を簡単に抑え込んだがチームは巨人戦7連敗で首位の座から陥落。「みんな注目している試合で勝てないのが情けなくて申し訳ない」。それでも「きょうに限っては相手が上ということ。切り替えてやる」と残り3試合に執念を燃やしていた。

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2008年10月9日のニュース