スンヨプ3連発!巨人6連勝で3差に接近

[ 2008年9月17日 06:00 ]

<横・巨>3回2死一、二塁、本塁打を放ち、ラミレスに出迎えられる李スンヨプ

 【巨人14―1横浜】ハマの夜空に奇跡を呼ぶ3連花火が舞い上がった。巨人の李スンヨプ内野手(32)が16日の横浜戦で3回に3ラン、4回に2ラン、6回には3打席連発となる2ランを放つなど7打点と大爆発。チームは今季最多の14得点&6連勝でシーズン勝ち越しを決めると同時に、阪神が中日に敗れたため3月31日以来の3ゲーム差に接近した。17日も横浜をのみ込んで、19日から阪神との天王山に臨む。

 G党からは大歓声。横浜ファンからは感嘆のため息さえ漏れた。大量リードの6回2死一塁。李スンヨプが放ったこの日3本目の放物線は、バックスクリーンに達した。昨年9月7日の阪神戦(東京ドーム)以来となる1試合3発。3連発は自身初だ。チームは4発を含む16安打の猛攻で今季最多の14得点。アジアの大砲が火付け役だった。
 “スンちゃん劇場”の開演は1点リードの3回2死一、二塁。前打者の4番・ラミレスが敬遠気味に歩かされ怒りがわいたが「結果を残さなければ」とすぐに冷静になれた。初球のカーブを右中間席中段へ。4回2死一塁ではカウント0―1からのフォークを弾丸ライナーで右翼席へ運んだ。6回の3発目も初球を狙い打ち。たった4球で3発のアーチをかけた。昨オフに左手親指を手術した影響で開幕から打撃不振。この試合前まで計8打点の助っ人が一挙7打点の荒稼ぎぶりだ。今月に入って患部の不安もなくなり「自分のスイングができるようになった。自信があるから初球から狙える」と胸を張った。
 大阪遠征中の今月1日に阿部、ラミレスを大阪市内の韓国料理店に招待。韓国代表として金メダルを獲得した北京五輪の話題に花が咲いた。ただそのころはバーンサイドと外国人枠を争っていたため、少しでも調子を落とせば2軍落ちの危機となる状況。阿部、ラミレスはあえてチームについての話題を避けた。その気遣いがうれしかった。「チームの優勝のために貢献したい」。その後、4日からの10日間は出場選手登録を抹消されたが、気持ちを切らすことなく2軍戦で調整した。
 チームは今季初の6連勝で、貯金は最多の19。最大13ゲーム差あった阪神に3差まで接近した。ここ5試合で打線は16発。残り17試合とはいえ、奇跡の逆転Vも射程圏にとらえた。19日からは阪神との3連戦を控えているだけに、原監督は「打線は集中力がある。非常に大きな試合が待っているし、しっかり戦っていきたい」と気合を入れ直した。
 苦難を乗り越えただけに李スンヨプの言葉には力強さがある。「残りの試合でも力を発揮したい」。かつて韓国でアジア記録の56発を放った男がシーズン佳境で輝きを取り戻した。

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2008年9月17日のニュース