阪神独り勝ち 貯金20でV率93%

[ 2008年6月9日 06:00 ]

<阪神・オリックス>7回2死三塁、赤星は中前に勝ち越しタイムリーを放つ(投手・本柳)

 【阪神4―3オリックス】阪神の2試合連続1点差勝ちを呼び込んだのは赤星だった。同点の7回2死三塁。フルカウントからの9球目、低めの速球を中前へ運んだ。

 「いろいろ考えて力んでしまわないように何も考えず無心で振った。バットを振っていく中で(投手を)自分の間に取り込めた」
 首痛を抱える赤星が胸を熱くする出来事があった。バレーボールの男子日本代表が16年ぶりの五輪出場を決めた。テレビの向こうで必死に戦う姿を見た。「興奮したよ。オレたちも」。1球への集中力は、競技は違えど共通していた。
 観客動員100万人を突破した一戦。接戦に勝つすべを赤星だけでなく、ナイン全員が知っている。前夜サヨナラ打を放った新井は走攻守でユニホームを汚した。逆転された直後の6回。先頭打者で左翼線に運ぶと、二塁へ猛然とヘッドスライディング。続く金本の定位置付近の右飛で三塁へ疾走、フォードの左犠飛で同点に追いついた。8号ソロを含む3安打、そして守備でも8回1死二塁だ。大引の一塁左への打球を横っ跳びで押さえた。抜けていれば再び同点とされていた場面。「いつも周りに助けてもらっているから。いつも通りやりました」と言った。
 4連勝で貯金は20に到達。57試合目での到達は03年の55試合に次いで球団史上2番目の速さだ。そして、セ・リーグで60試合までに貯金20に到達したチームは過去のべ14チームあり、13チームが優勝。V率は93%だ。2位・中日とは今季最多の7・5ゲーム差に開いた。接戦の中で全力プレーが自然と出る。数字はその積み重ねなのだ。
 ナインに慢心はない。03年のリーグ優勝を知る赤星は「まだまだ。先は長い。1試合1試合の積み重ね」。後ろを振り返ることなく、虎がセ界独り旅を続ける。

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2008年6月9日のニュース