まだ5月なのに…コリンズ監督辞任

[ 2008年5月22日 06:00 ]

辞任を決めたコリンズ監督は質疑応答を受け付けず、立ったまま会見する(左は中村本部長)

 オリックスは21日、スカイマークで行われた阪神戦後に記者会見を行い、テリー・コリンズ監督(58)の辞任を発表した。監督代行は大石大二郎ヘッド兼内野守備走塁コーチ(49)が務める。大リーグ通算444勝の指揮官は就任1年目の昨季、3年ぶりの最下位に沈むと今季も浮上の兆しが見えず、責任を取った。またブラウン投手チーフコーチ(49)とジョン・ディーバス打撃チーフコーチ(49)の辞任も決まった。

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 敗戦後、ロッカー室に集められたナインは10分後にぼう然とした表情で次々に出てきた。コリンズ監督の辞意表明。唐突過ぎる退陣劇に戸惑いを隠せない。そして球場内関係者食堂に用意された会見場で、コリンズ監督は着席せず立ったまま、約10分間語り続けた。「質問は受け付けない」と一方的に切り出した。
 「愛している野球に対する情熱の炎が消え去った。戦うためには燃える炎や体内からわき上がるエネルギーが必要だ。しかし、もう限界。この辺が潮時だと感じた」
 同監督が球団に辞意を申し入れたのは16日、千葉でのロッテ戦終了後。中村勝広球団本部長(58)に伝えた。ロッテ・バレンタイン監督にも胸の内を打ち明けていたという。球団は慰留に努め、この日まで4試合の指揮を委ねたが、中村本部長は「限界と判断した。この日の会見は球団が設定した」と慰留を断念した。
 コリンズ監督は06年オフにオリックスから再建を託された。しかし、1年目の昨季は大リーグ流の投手起用や用兵、采配が機能せず最下位。オフに浜中(阪神)、カブレラ(西武)ら大砲を補強して臨んだ今季も3度の4連敗などで21勝28敗と低迷している。同監督は辞任理由を「炎が消えた」と語るのみだったが、チーム内で孤立する現状は多くの球団幹部が認めている。06年オフ、自身を招へいした小泉隆司球団社長(当時)は昨年12月31日付で退団。理解者をなくしていた。
 低迷の続くオリックスは02年から足かけ7年の間に監督6人が去っていった。今回のシーズン前半での辞任で球団内部は大揺れだ。大石ヘッドコーチが監督代行に就任するが、コリンズ体制の両輪だったディーバス、ブラウン両コーチも退団。球団は22日に住友平2軍監督(64)を1軍チーフ、清川栄治2軍投手コーチ(46)を同投手コーチ、古屋英夫2軍打撃コーチ(52)を2軍監督兼打撃コーチに配置転換する人事を発表する。シーズン序盤に起きた突然の指揮官辞任劇。チーム内の動揺は避けられず、浮上への道筋は見えない。

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2008年5月22日のニュース