恥ずかしがり屋・涌井が「ヨッシャー!」

[ 2008年4月17日 06:00 ]

<西・日>西武先発・涌井

 【西武4-2日本ハム】冷静沈着なエースが感情をむき出しにした。2点リードで迎えた7回2死一、三塁、西武の涌井は高橋を127キロフォークで空振り三振に仕留めると右手でグラブを叩き「ヨッシャー!」と吠えた。負ければ首位転落となる2位日本ハムとの直接対決。勝負どころで若き右腕が真価を発揮した。

 「負けたら首位から落ちるゲーム。野手もよく打ってくれて、よく粘れた。いい勝ち方だったなと思う」

 初回、失策絡みで先制点を失う苦しい立ち上がり。4回までに4四球と制球に苦しみ、6回にはスレッジに今季初被弾した。だが、4回2死二塁から高口の右前打をG・G・佐藤が本塁へ好返球してタッチアウトに仕留めるなど、バックにも助けられ何とか7回2失点で2勝目。「G・G・さんの返球に助けられてラッキーでした」と笑った。
 10日ロッテ戦(西武ドーム)で初勝利を挙げた試合後、親友ダルビッシュから「おめでとう」とメールをもらった。3月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)ではともに9回無失点と壮絶な投げ合い。13日に都内で一緒に食事した際には「あんな投球されたら勝てないから投げ合いたくない」と愚痴をこぼしたが、ダルビッシュの投げない試合ではしっかりと結果を残して見せた。

 普段は恥ずかしがり屋な21歳。試合後はお立ち台を“拒否”して西武ドーム名物の階段を駆け上がっていった。

 ≪56発ペース!ブラゼル9号≫西武のブラゼルがキング独走の9号だ。1点を追う4回、吉川の142キロ直球を右越えに同点ソロ。「涌井もいい投球をしていたので、点を与えたかった」と納得顔だ。23試合で9発と2位に4本差をつけ、年間56発ペース。日本記録を更新するペースも「ハハッ。数字の話は9月にしようよ」と笑い飛ばした。カブレラに代わる助っ人の勢いは止まらない。

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2008年4月17日のニュース