由伸一発!グライ&クルーンで守った!

[ 2008年4月17日 20:56 ]

中日に勝ちガッツポーズする決勝ソロの巨人・高橋由(左)と2勝目のグライシンガー

 【巨1―0中】巨人は今季初の無失点勝ちで、連敗を2で止めた。先発グライシンガーは要所を締めて8回途中まで投げて2勝目。クルーンが反撃を断ち、高橋由の8号ソロによる1点を守った。中日は7回1失点の山井を打線が援護できなかった。

 ≪方程式崩してクルーン8回登場≫巨人が新助っ人2人の好投で虎の子の1点を守り切り、今季初めて無失点勝ちした。
 1―0の8回にグライシンガーが1死二塁のピンチを迎えると、ベンチは迷わずクルーンを送り出した。守護神は最近亡くした祖母の名を、指でマウンドに刻んで登板。李炳圭とウッズの3、4番を連続三振に仕留めて後続を断つと、9回も3者凡退で締めた。
 得点圏打率は2割2厘とリーグ最下位ながら、チーム本塁打21はリーグ最多の巨人。この日の1点も高橋由のソロだった。打線がつながりを欠き、8回は豊田、9回をクルーンという“勝利の方程式”を崩さざるを得ないのが現状だ。
 原監督は「最善策を選んだということ。逆風の中では奇襲的なことも必要で、方程式に当てはまらないこともある」と説明。接戦をものにしても笑顔はなかった。
 祖母の葬儀に出るため、この試合を最後に一時帰国するクルーンは「チームを離れるのは心苦しいが、帰る前に勝てて良かった」。再来日は22日の予定で、しばらくは方程式の大前提もなくなる。苦しい戦いは、まだ続くだろう。

 ≪糸を引く弾丸8号≫巨人の高橋由が4回、リーグトップとなる8号ソロを放って均衡を破った。
 この回の先頭打者として打席に入ると、山井の失投を見逃さずにライナーで右翼席に運び「抜けた変化球が甘く入ってきたので、思い切り振り抜いた」。ベンチでチームメートから、糸を引くような高橋由らしい打球を褒められると、うれしそうに目尻を下げていた。

 ≪それでも山井が帰って来た≫“復帰戦”としては上々の結果だろう。白星には結び付かなかったものの、今季初先発の山井が詰め掛けた中日ファンを納得させる7回1失点の好投を披露した。
 ストライクゾーンの四隅への制球がさえた。2回1死一塁ではゴンザレスを内角の直球でつまらせて併殺。3回無死一塁では、古城を外角低めの直球で遊ゴロ併殺に仕留めた。4回に高橋由にソロ本塁打を許し「あの1球が悔やまれます…」と反省したものの、その後は一切動揺することなく、7回まで連打を許さずに投げ切った。
 日本一を決めた昨年の日本シリーズ第5戦で8回までパーフェクトを続けた右腕。ことしは1年間ローテーションを守ることを目標にハイペースで調整したが、下半身に張りが出て開幕には間に合わなかった。「悔しかったけど、やっちゃったものはしょうがないと気持ちを切り替えた」。9日の阪神戦の中継ぎ登板で好結果を出し、先発の座を再びつかみ取った。
 「きょうの収穫は山井だろ」と落合監督。今季初の同一カード3連勝は逃したが、完全優勝を狙うチームに頼もしい戦力が復活した。

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2008年4月17日のニュース