おっさんパワーで虎新記録!貯金も10

[ 2008年4月17日 06:00 ]

<神・広>お立ち台の下柳(右)と関本

 【阪神5-1広島】おっさんパワーをなめたらアカンで!阪神は16日の広島戦で、下柳剛投手(39)と金本知憲外野手(40)の“不惑コンビ”が活躍。4連勝で球団新記録となる開幕6カード連続勝ち越しを決めた。下柳は2年ぶりの完投で無傷の3連勝を飾り、自らダメ押しの適時打を放つなど投打で大暴れ。“スーパー鉄人”金本も初回に左中間へ同点二塁打を放った。ホームゲーム7連勝で貯金は早くも10。無敵の虎がセ界の先頭を突っ走る。

【チビプロ阪神


 甲子園が揺れる。開幕からホームゲーム無傷の7連勝。この夜は年に1度か2度しかない“おまけ”も付いた。御礼のお立ち台。人前で話すのが大の苦手という39歳のシャイなおっさんが引っ張り出されて爆笑トークだ。

 ベンチ奥。渋りに渋っていた下柳が「ツヨシ」コールと竹内広報の説得で「次はもうないからな」と宣言してヒーローインタビューへ。アナウンサーの「冷静でしたね」に「ドキドキしてました」。すぐ逆転してくれたことを問われ「そうですね」。05年10月5日の横浜戦(甲子園)以来の完投勝利で、無四球完投もプロ初なのに「疲れました」。無骨な男のぶっきらぼうな言葉にファンはわき返った。

 わずか97球の完投ショー。老かいな“左腕の舞”が強い猛虎の象徴ともなった。これで甲子園でのチーム防御率は何と0・75。ホーム7連勝はすべて先発投手の勝ち星だ。JFKのJ(ウィリアムス)不在の今、先発が役目を果たしていることが快進撃につながってる。データが物語る強さをこの夜、下柳が省エネ完投で実証した。

 初回2死からアレックスに先制弾を浴びても冷静さは変わらない。「みんなのプレーが大きな要因。気持ちよく投げさせてもらった」。MAXは134キロ。球速はなくともコーナーへ変化球を投げ分けた。「下柳はどの球も、ひじから先がロボットの手のような感じで同じ振りで投げる。だから打ちにくい」。久保チーフ投手コーチが証言する通り、2回以降は凡打の山を築かせた。

 今オフの自主トレでは陸上競技を取り入れ、基礎トレーニングを黙々とこなした。肉体と精神の維持。ひたむきな努力が省エネ投球での今季3勝目を呼び込み、バットにも力を宿した。5回に中前へ今季初安打。6回1死一、二塁はダメ押し右前打を放った。「(2安打は)たまたま」。シャイな男は謙そんするが、同級生の主砲が熱投に応えてくれた。一足先に40歳になった金本が初回、同点の左中間二塁打。「勝てるときは勝っておかんとね」。初回に被弾した下柳を乗せたのは金本の熱い一打だった。

 これで開幕6カード連続の勝ち越しの球団新記録で、貯金は早くも2ケタ10。岡田監督は「らしい投球やったな。自分で打ったし」と笑った。猛虎の進撃は、オヤジパワーが支えている。

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2008年4月17日のニュース