プロとしてあるべきプレーができない巨人

[ 2008年4月13日 06:00 ]

<巨・ヤ>7回2死一、二塁、リグスに3ランを許し、ぼう然とする巨人・豊田

 【巨人4―8ヤクルト】両手をひざについてガックリとうなだれた。7回、カウント2―0から百戦錬磨のベテランが許した逆転3ラン。開幕から安定度抜群だった豊田が“凡ミス”を犯した。チームの連勝(1分けを挟む)は3で止まり、借金は再び4に膨らんだ。

 試合後、原監督は多くを語らなかった。「プロとしてあるべきプレーができていない。それでこういう結果になった。その辺で理解してください…」。腹の底から絞り出したような声。誰も責めなかったが、今季初めて自ら会見を打ち切った。
 先発・高橋尚の粘投、ラミレスの勝ち越し弾などで2点をリードして迎えた7回、事態が暗転した。脇谷の野選などで1点差とされ、なお2死一、二塁。原監督は8回に登板させる予定だったセットアッパーの豊田を、迷うことなく前倒しで起用した。フォーク2球でリグスを簡単に追い込み、捕手の阿部は外角のボール球を要求。しかし、141キロの直球は真ん中に吸い込まれ、直後に右中間席に突き刺さった。
 「低く外そうと思ったのが内に入った。完全にボールにすればよかった」と肩を落とした豊田。試合が決まった9回途中で退いた阿部も「もっと外に構えればよかった。ジェスチャーで示さなければいけなかった」と悔やんだ。
 チームは球団史上ワーストの開幕5連敗を喫するなど開幕ダッシュに失敗。投打で低迷するチームの中、豊田は“8回の男”として君臨していた。近日中に3月に死去した祖母の葬儀に出席するため、クルーンが米国に一時帰国する。その間は豊田が“暫定守護神”を務める予定だ。開幕から貧打ばかりにスポットが当たっていたが、貴重な存在であるベテラン右腕が一抹の不安を露呈した。

 ≪尚成、遠くかすむ白星≫またも白星は挙げられなかった。開幕投手を務めながら、ここまで2戦2敗の巨人・高橋尚が5回1/3を2失点の力投。だが、中継ぎ陣が踏ん張れず逆転負けを喫した。2回に宮本の犠飛で先制点を献上。3、4回はともに2安打を許しながら無失点でしのいだ。今季初めて中7日で登板し「前回の登板よりはよかったと思う」と手応えを口にした。66年の金田以来42年ぶりの開幕投手から3戦3敗は免れたが「あの展開なら7回まではキッチリ投げないといけない」と反省した。

 ▼巨人・脇谷(7回1死一、三塁で二塁へのゴロを捕球も完全セーフのタイミングで本塁に送球して野選)僕の判断ミス。迷惑をかけてしまったので次にばん回したい。

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2008年4月13日のニュース