MAX149キロ!大場 開幕投手ある!

[ 2008年2月20日 06:00 ]

紅白戦で3回無失点と好投した大場

 “平成の鉄腕”が開幕投手候補に躍り出た。ソフトバンクの大学・社会人ドラフト1巡目、大場翔太投手(22=東洋大)が19日、宮崎キャンプの紅白戦で実戦デビュー。MAX149キロで3回を1安打2奪三振無失点に抑えた。王貞治監督(67)は3・20開幕投手での起用を示唆。次回は度胸試しに、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(72)が観戦する予定の24日の巨人とのオープン戦(宮崎サンマリンスタジアム)に先発する可能性が高くなった。

 ネット裏で見守る王監督が秋山総合コーチと言葉を交わすと、大きくうなずいた。視線の先には大場がいる。まさに威風堂々。すべての首脳陣を納得させる33球に、鉄腕も満足げだった。

 「山崎さんの当たりは思うところに投げたけど、多少のヒットは覚悟していました。無失点で抑えようと思っていたし、その通りの投球ができた」

 “パーフェクト”の懸かった9人目の打者・山崎にポテン安打されても動じない。続く川崎を129キロスライダーで三邪飛。予定の3回を1安打無失点は、新人の初の紅白戦とは思えない圧巻の内容だ。最速は149キロ。「課題の変化球で打ち取れた」とも振り返った。初回の多村。直球で追い込んで133キロスライダーで見逃し三振に仕留めて「モノが違いますよ。打てる球がなかった」と脱帽させた。12日のシート打撃で直球を左前打された松中にはチェンジアップから入って145キロ直球で遊直。「投げている姿も頼もしい」と主砲もうならせた。

 調整は順調。日ごと成長する新人に、評価は急上昇だ。王監督は興奮気味に語った。「さすがに大学日本一になった投手。十分、合格点。開幕投手?そういうことも十分にあるよ」。エース斉藤が不在。和田も出遅れている。現時点で有力なのは杉内だが、この日の投球で大場にも開幕投手を争う“資格”が与えられた。王監督は「ただし、なるべく楽なところから使いたいと思う。チーム事情もあるけどね」とも続けた。オープン戦の結果次第で、球団としては58年杉浦忠以来、半世紀ぶりとなる新人開幕投手もあり得るのだ。
 その快挙へ対外試合デビューも早まる。当初は25日以降だったオープン戦登板を再検討。王監督は「杉本(投手コーチ)と話して決めるが、巨人戦(24日)や西武戦(25日)には十分、投げられるだろう。巨人戦なんかは度胸をつけるにはいいチャンス」と24日の可能性を示唆した。当日は巨人・長嶋終身名誉監督も宮崎入りして観戦の予定。大場は“ON御前試合”で新時代のエースへ名乗りを上げる。

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2008年2月20日のニュース