帝京大スーパー1年生WTB竹山4T 大会11個目でタイ記録

[ 2016年1月3日 05:30 ]

<帝京大・大東大>後半33分、トライを決める帝京大・竹山

ラグビー大学選手権最終ステージ準決勝 帝京大68―33大東大

(1月2日 秩父宮)
 7連覇を目指す帝京大は68―33で大東大を破り、8季連続の決勝進出で前人未到の大記録に王手をかけた。ケガのフッカー坂手淳史主将(4年)を欠いた帝京大だが、WTB竹山晃暉(1年)が4トライを量産し、今大会通算11トライとして1大会の歴代最多記録に並ぶ活躍を見せた。また、初優勝を目指す東海大は明大を28―19で破り、09年度以来6季ぶりの決勝進出。こちらもルーキーのテビタ・タタフ(1年)が途中出場ながら2トライの活躍を見せた。

 トライハンターの嗅覚が鋭く反応した。33―21で迎えた前半39分。密集でターンオーバーに成功した帝京大が、右へと展開攻撃を開始した。本来、右ウイングの尾崎がフィニッシャーとなる場面だが、そこに顔を出したのが左の竹山だ。パスを受けると、あとは快足を飛ばすだけだった。後半にも3トライを挙げ計4トライ。甘いマスクからは笑顔がはじけた。

 「前半は相手の雰囲気にのまれた部分があったが、後半は外にスペースができたので、フィニッシャーとしての役割を果たせました」

 御所実高時代もポジションは左ウイングながら、抜きんでた能力ゆえ、状況によってポジションを自在に変えることを許された。大学入学後も癖が抜けず、岩出雅之監督からは「動き過ぎる」と指摘された。夏合宿以降に「空いているスペースがあれば走る。必要なければ別の所へ動く」と我慢を学び、体力消耗は減り、状況判断能力が高まった。1トライ目は、まさにそのたまもの。「(修正は)難しかったが、うまく自分を生かせている」と話した。これで先月13日の法大戦の1トライ、27日の中大戦の6トライと合わせて計11トライ。03年度に関東学院大のWTB北川智規(現パナソニック)とフッカー山本貢(現キヤノン)のつくった11トライの1大会歴代最多記録に並んだが、当時は全6試合だった。全5試合の現行方式で新記録をつくれば快挙だ。

 試合終了間際には相手No・8のアマト・ファカタヴァに振り切られ、80メートルの独走トライを決められた。「あのシーンが今の実力。外国とのプレーを考えればやってはいけない」と反省も忘れない。入学とともに立てた目標が「中期では4年生(18年度)での大学選手権10連覇達成。長期では19年のW杯日本大会と20年の東京五輪に出場すること」。桜のジャージーを明確な目標としている19歳は、トンガ人留学生の後塵(こうじん)を拝したことを反省する謙虚さも兼ね備えている。

 目の前の目標は、もちろん7連覇。「1年間積み重ねたものを、自分の力に変えて臨む」。新日鉄釜石、神戸製鋼に続き、日本ラグビー界に伝わる栄光の数字へと突き進む。

 ◆竹山 晃暉(たけやま・こうき)1996年(平8)9月25日、奈良県生まれの19歳。3歳でラグビーを始める。奈良・御所実では1、3年で全国大会に出場し、ともに準優勝。昨年4月に帝京大に入学し、関東大学対抗戦では通算18トライを記録した。父の和彦さんは元幕下力士の星鶴王(ほしかくおう)。ポジションはWTB。50メートルは6秒4。1メートル76、80キロ。

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2016年1月3日のニュース