3分4秒差東洋大だけが逆転圏 服部兄弟リレーは明暗

[ 2016年1月3日 05:30 ]

東洋大・2区服部勇(左)から3区服部弾へ兄弟でタスキを繋ぐ

第92回箱根駅伝

(1月2日 東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間107・5キロ)
 東洋大は昨年、往路を終えた時点で青学大とは6分49秒の大差をつけられた。それが今年は半分以下の3分4秒差で踏みとどまった。東洋大の酒井俊幸監督は「3分差は一つのミスがあれば背中が見えてくる。あしたは気温も上がるので何が起こるか分からない」と逆転の可能性を信じて前を向いた。

 往路の鍵は服部兄弟だった。補欠に置いていた弟・弾馬(はずま、3年)を3区に組み込み、2区の兄・勇馬(4年)との兄弟リレーでハナを切る戦略。7位でたすきを受けた勇馬は期待通りに順位を上げた。山梨学院大のニャイロに追い抜かれても「最後はバテると思っていた」と後ろから拾い、20キロ手前で再び前に出た。

 しかし積極的な走りは10キロすぎから両足にけいれんをもたらしていた。「自分の力、フィジカルの強さが足りなかった」と目標の1時間6分台には届かなかったが、1時間7分4秒は歴代5位の好記録だ。花の2区での2年連続区間賞は08年のモグス(山梨学院大)以来で、日本人では渡辺康幸(早大)以来20年ぶりの快走となった。

 しかし22秒差の2位でたすきを受け取った弾馬が振るわない。「足がうまく回らない感じがあった。最悪の走りだった」と力強さが影を潜め、4区につないだ時点で差は1分以上に開いた。調整段階から調子が上がらなかったといい、酒井監督も「弾馬は主力中の主力。あそこで負けてしまうと往路優勝は獲れない」と残念がった。

 来月には東京マラソン挑戦、そしてリオ五輪も見据える勇馬は「(首位に立てなかった)僕と弾馬の責任。流れを呼び込めなかった」と責任を背負い込み「3分ならまだ分からない」と仲間に望みを託した。復路は出雲駅伝、全日本駅伝で区間賞の口町(3年)から始まる。青学大の背中はまだ手の届くところにある。

 ▽復路での逆転 青学大は往路で2位の東洋大に3分4秒差をつけた。過去91回で往路優勝のチームは、62回総合優勝を飾っている。復路での逆転劇は29度で、3分4秒以上の差を逆転したのは過去に10度。最大の逆転劇は4校出場の1920年(大9)の第1回大会で、2位だった東京高等師範(現筑波大)が8分27秒差をひっくり返したもの。最近では第62回(86年)に往路5位だった順大が早大との6分32秒を逆転したケースが目立つ。翌年の第63回も往路3位の順大は3分55秒差を逆転し連覇を達成している。

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2016年1月3日のニュース