「スロープレーは悪いこと」三塚、涙の平謝り

[ 2010年5月8日 06:00 ]

関係者への謝罪後、言葉を詰まらせながら報道陣に心境を語る三塚

 【サロンパスカップ第2日】スロープレーに対するペナルティーを不服として初日のラウンド途中に棄権した三塚優子(25=フリー)が7日、関係者に謝罪するために会場を訪れた。強気の抗弁も見せていた前日から一転、この日は涙目で反省と謝罪の言葉を繰り返した。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子会長(64)は11日の理事会に合わせ、対応を審議する臨時のTPD委員会を開くことを明言。そこで三塚の処分が決まることになる。

 「納得がいかない」とまくし立てた前日の剣幕はすっかりうせていた。「スロープレーは悪いことだと自分でも自覚してますし、こういうことは二度と起こしてはいけない。ファンの方々やスポンサーの方に多大なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」。三塚は目に涙をためながら、しおらしく頭を下げた。
 自らのスロープレーで2打罰を受けながら、逆ギレしてプレーを放棄するという前代未聞の棄権劇。「あの時は多少なりとも感情的になっていた部分がある」。茨城県内の自宅に戻った後、冷静になって自分の犯した過ちの大きさに気づいたという。周囲の関係者にも相談し、この日の昼すぎにLPGAに連絡を入れ、競技の進行がある程度落ち着いた午後4時40分ごろに会場を訪れた。
 まずは樋口会長と小林法子大会実行委員長に謝罪。会長からは「あなたは大変なことをした。協会員である以上、ルールを守ってください。それができないならやめなさい」などと30分間にわたって説教を受けた。その後は主催者と、同組でプレーしていた馬場ゆかりとニッキー・キャンベルにも直接会って謝った。
 来週のフンドーキン・レディース(14~16日、福岡センチュリーGC)にはエントリーを済ませており「それでもわたしのゴルフを見たいと言ってくれるファンの方々に応えたい」と出場の意向を示した。樋口会長は「本人も事の重大さを理解したようだ」と謝罪を受け入れつつも「(出場の可否は)火曜日に決めます。どういう結果が出るかは審議しないと分からない」と出場停止などの処分に含みをもたせた。
 ファンやツアー仲間、大会を支えるすべての人を無視した暴挙で失った信頼は、謝罪の言葉だけでは取り戻せない。将来を期待される選手だからこそ、今後の処分を受け入れることを含め、三塚にとってはこれからのプレーと態度こそが重要になる。

 ≪ブログでも謝罪≫三塚は自身のブログでも「みなさまへ」というタイトルでファンや関係者に向けて謝罪した。「多くのゴルフファンの皆様に失望感を与えてしまったこと、重ねておわび申し上げます」「社会人として、ゴルファーとして深く反省し、今後二度とこのような事を起こさないよう努めることを、固く誓います」などとつづった。

 <男子ツアーも注意喚起へ>日本ゴルフツアー機構の小泉直会長はスロープレーに端を発した三塚の棄権を受け、男子ツアーでもあらためて競技の進行が遅くならないよう注意喚起する考えを示した。ザ・レジェンド・チャリティープロアマの前夜祭に出席した同会長は「ゴルフの基本は前の組との間を空けないこと。口頭ではなく、書簡で注意するのがいいと思う」と選手、関係者に対して意識づけをする重要性を説いた。

 ▼三塚の初日VTR 馬場、キャンベルとラウンド。前の組と大きく間隔が空いたため競技委員が8番パー3から時間を計測。1オンした三塚は最初のパットを75秒、次のパットも75秒かけた。1打にかけられる制限時間60秒(目安は30秒)を2度もオーバーしたため、9番ティーで2打罰を宣告された。これを不服として9番終了後に棄権を宣言。クラブハウスに引き揚げてきてからも競技委員らに約1時間も自らの主張を訴えた。

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2010年5月8日のニュース