鉄棒での2度の落下…内村は予選4位

[ 2010年5月8日 20:51 ]

 体操個人総合の全日本選手権第1日は8日、東京・国立代々木競技場で男女の予選を行い、男子で3連覇を狙う昨年の世界選手権覇者の内村航平(日体大)は、鉄棒での2度の落下などが響いて合計89・525点の4位通過となった。北京五輪代表の中瀬卓也(徳洲会)が90・725点でトップに立った。女子は5連覇が懸かる世界選手権3位の鶴見虹子(朝日生命ク)が安定した演技で合計58・475点の首位。有力選手では北京五輪代表の美濃部ゆう(朝日生命)が予選落ちした。男子は上位42人、女子は上位24人が9日の決勝に進み、最終順位は2日間の合計得点で決まる。大会は10月の世界選手権(オランダ)代表選考会を兼ねる。

 世界王者として臨む今年最初の個人総合で、内村が予選4位と出遅れた。昨年の世界選手権よりも難しい構成に変えた最初のあん馬で演技が乱れ、5種目目の鉄棒では離れ技を2度も落下する致命的なミス。思わず苦笑いがこぼれた。
 世界選手権で日本人初の2連覇を目指す21歳はこの冬、さらなるレベルアップに努めた。だが「(つり輪も含めて)演技価値点を上げていたし、鉄棒をやる前に体力的にしんどくなった。不安と体力的なものが二つ重なって2度落下した」。4月のフランス国際で種目別の鉄棒は優勝していたが、計6種目を乗り切るだけの安定感を欠いた。
 2度の落下による2点の減点が影響して出遅れたが、首位と1・200点差は、3連覇へ向け、まだ逆転圏内。個人総合では北京五輪直後の全日本学生選手権で2位に終わって以降、無敗のエースは「いつも1日目が駄目。2日目はよくなるのでそれにかけている」と意気込んだ。

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2010年5月8日のニュース