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【コラム】西部謙司

難しいグループ・ベストな対戦順

[ 2013年12月11日 05:30 ]

W杯1次リーグ第3戦コロンビア戦時に、どれだけ勝ち点をあげているかが重要になる
Photo By スポニチ

 W杯のグループリーグ組み分けが決まり、日本はグループCに入った。コロンビア、ギリシャ、コートジボワールと対戦する。非常に難しいグループだ。

 3強1弱の「死のグループ」であるグループDはウルグアイ、イタリア、イングランドのW杯優勝国が入り、どのチームも「大変なグループに入った」と思っているだろう。1強3弱のAとGも厳しい。ブラジルとドイツが大本命だが、それぞれ残りの3チームも非常にレベルが高く、グループ突破の2つめは予想がつかない。

 日本が入ったグループに過去の優勝国はなく「まあまあのグループだ」という感想になるわけだが、4チームとも同じように思っているわけで、4強ないし4弱という状態である。ある意味、最も予想がつかない競争の激しいグループだといえる。ただ、対戦順はベストだろう。

 最も強いと思われるコロンビアと当たるのが最後というのがいい。引き分けでもオーケー、あるいは負けても大丈夫という状況で対戦できるかもしれない。相手がすでに突破を決めていてメンバーを落としてくる可能性もある。もちろん、逆に日本が2点差で勝たなければいけないなど厳しい状況になるかもしれないが。

 ギリシャと2戦目というのも申し分ない。ギリシャの強みは堅守速攻だ。引いて守らせたら強く、日本にとってはやりにくい相手だ。セルビア、ベラルーシに引かれて点がとれなかったのだから、ギリシャに守られたら簡単に点がとれるとは思えない。ただ、前に出てきてくれればそんなに難しい相手ではない。ギリシャは初戦でコロンビアと対戦する。コロンビアに負けると日本戦は勝ち点3をとりにくるはずで、そうなれば日本にやりにくさはない。

 2戦目ギリシャ、3戦目コロンビアはいい順番だ。コートジボワールとの初戦はいいとも悪いともいえないが、これしかないのだから仕方がない。コートジボワールはパスワークのいい、きれいなサッカーをしてくるチームで、日本にとってやりにくさはない。好不調の波があって、いいときは手が付けられないが悪いときは同じチームとは思えないぐらい落ちることもある。どちらが主導権を握るかで、ゲーム展開はかなり違ってくるだろう。

 最初の2試合がレシフェ、ナタルというのもいい。レシフェは高温多湿だが、コンフェデ杯のときにはイタリアといいゲームができていた。コートジボワールも暑さは苦にしないが、どちらも多くの選手はヨーロッパでプレーしていて気候順化に大差はないだろう。2戦目のナタルはレシフェに近く、日本は同じ条件での連戦になる。

 厳しいグループに入ったが対戦順はいい。最初の2試合で勝ち点を稼ぎ、移動も相手も一番厳しくなる3戦目のコロンビア戦をなるべく楽な条件で戦いたい。(西部謙司=スポーツライター)

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