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コパに見る米国のサッカー事情 人気は発展途上

アルゼンチン代表引退を表明したメッシ(AP)
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 6月26日に開催された南米選手権決勝はチリが0-0でのPK戦の末に4-2でアルゼンチンを破り2度目の優勝を手にした。PKを外したアルゼンチン代表のFWリオネル・メッシがゲーム後代表引退を表明したことでも注目を集めている。この南米選手権を開催国という面から検証してみたい。

 まず今回の大会はこれまでの南米選手権とは違う特別な大会だった。正式名称が南米選手権センテナリオ USA 2016で、センテナリオとは100周年という意味であり、南米サッカー連盟と南米選手権設立100周年を祝う大会だった。そのため通常は4年周期で、昨年アルゼンチンで開催されたにも関わらず2年連続での開催となった。ちなみに次回は通常通りに、2019年にブラジルで開催予定となっている。

 さらに大きいのは開催国がアメリカだという点だ。アメリカは北中米カリブ海サッカー連盟所属(CONCACAF)で、これまで3回招待されて出場したが、本来出場資格を持つ国ではない。ましてや南米選手権が南米以外で開催されたこともなかった。それが今回はアメリカで開催されたのは、100周年大会という特別な大会を、南米のどの国でやっても不満が出ただろうし、多くの収益が見込めるとビジネス的なメリットへの思惑もあって南米サッカー連盟とCONCACAFが合意したのだろう。

 実際、使用された10のスタジアムは全て6万3000人以上収容できる大型スタジアムだった。いずれもアメリカンフットボールを主目的位建設されたもので、1994年の男子W杯、1999年の女子W杯の決勝会場となった9万2000人収容のローズボウルも含まれていた。

 ただこれらのスタジアムは東海岸から西海岸まで分散しており、3時間の時差があり、東海岸から西海岸までだと飛行機で6時間程度かかる。94年の男子W杯決勝ではイタリア代表が、準決勝の会場の東海岸ニュージャージー州から決勝の西海岸ロサンゼルスまで移動を強いられ、敗退の要因となったと言われた。今回はこの点が配慮され、長距離の移動がないような日程が組まれていた。とはいえ、移動距離は長く、各チームとも疲労には気を遣ったことだろう。

 では実際の人気はどうだったのだろうか。ニュージャージー州イーストラザフォードにあるメットライフ・スタジアムで開催された決勝では8万2026人ものファンが詰めかけた。

 最も集客力の高かったチームはメキシコ代表で、1次リーグと準々決勝の4試合全てで6万人以上を集めている。これはアメリカと国境を接した隣国で移民が多く、さらにCONCACAFの強豪で長年アメリカとライバル関係を保ち続けているからだろう。

 一方で今回初の4位に入ったアメリカは、アルゼンチンに0-4で敗れた準決勝は7万人を集めたものの、3位決定戦は2万9041人という数字だった。

 さらにグループBのエクアドル-ペルーは今大会最少の1万1937人しか集まらず、2万人未満のゲームが2つあった。

 テレビ中継はどうだったか。アメリカではスポーツ専門のケーブル・チャンネルFS1が英語で、スペイン語チャンネルのユニビジョンがスペイン語で放送した。英語とスペイン語のチャンネルに分けて放送権が設定されるところがヒスパニック系住民のサッカー人気が高いやはりアメリカらしいといえる。

 ユニビジョンがケーブル・チャンネルの中ではその日の最高視聴率をたたき出すことが何回もあった。決勝戦に関してもユニビジョンで680万人が視聴し、同時間帯に放送された地上波ABCの人気クイズ番組を上回った。またFS1でも298万人が視聴しており、全米で合計980万人近くが視聴した。とはいえ、テレビ視聴世帯全体から見るとかならずしも多いわけではないし、スペイン語放送が英語放送を依然上回っている。

 このように集客状況やテレビ視聴データを見ると、今大会は一応の成功とはいえるものの、まだまだアメリカでのサッカー人気は発展途上といえそうだ。(渡辺史敏=ニューヨーク通信員)

[ 2016年7月8日 05:30 ]

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