×

34歳ブレシアーノ 黒星発進も存在感発揮し若手をけん引

[ 2014年6月15日 05:30 ]

ボールをキープするブレシアーノ(左)(AP)

W杯1次リーグB組 オーストラリア1―3チリ

(6月13日 クイアバ)
 スペイン、オランダ、チリの3強といわれるB組。“1弱”のオーストラリアは黒星発進となったが、34歳の2人が見せ場をつくり食い下がった。FWカーヒルが1点を返し、後半11分にはゴール前へ駆け上がってきたMFブレシアーノが左クロスに左足を一閃(いっせん)。ゴール右を襲ったボレー弾はチリGKブラボに横っ跳びではじかれたものの、番狂わせを期待させる一撃だった。

 GKシュワルツァー、DFニール、MFウィルクシャー、FWキューウェル…。一時代を築いた選手たちが引退や世代交代の方針で抜け、06、10年W杯を経験しているのはカーヒルとブレシアーノだけ。イタリアで12シーズンプレーし、確かな戦術眼と巧みなパスで攻撃を操るブレシアーノにしても実は3大会連続出場が危ぶまれていた。

 11年8月にアルナスル(UAE)に加入し、12年8月にはアルガラファ(カタール)と3年契約を結んだ。しかし、アルナスルから契約が残っていると訴えられ、FIFAは昨年10月に出場停止4カ月の処分を決定。CAS(スポーツ仲裁裁判所)への訴えも却下され、W杯まで残り8カ月のうち半分の期間をプレーできなかった。それでもポステコグル監督は「最もクリエーティブな選手の一人」と復帰を待ち、5月末に腰を痛めてもメンバーから外さず、初戦から先発で起用した。

 「痛みを我慢できると思えば自分的にはOK。思ったよりも早く復帰できた」と言うベテランは後半33分までプレー。若手が経験不足を露呈する中で存在感を発揮した。「W杯に出るだけでも特別なことだけど、自分には経験があるし、強いチームと戦うすべを知っている」。スキンヘッドの背番号23は、前評判を覆す金星を狙っている。

 ▽マーク・ブレシアーノ 1980年2月11日、オーストラリア・メルボルン生まれの34歳。父がイタリア人で母がクロアチア人。15歳から州リーグ、17歳から全国リーグでプレー。99年にセリエBのエンポリ入りし、02年にパルマ、06年にパレルモ、10年にラツィオへ移籍。セリエA通算250試合30得点。01年にオーストラリア代表デビューし、通算75試合13得点。1メートル82、73キロ。

続きを表示

2014年6月15日のニュース