藤井正弘の血統トピック

今週もディープ産駒!“ハーツ包囲網”万全

[ 2014年10月22日 05:30 ]

 秋華賞のヌーヴォレコルトはまさに負けてなお強しの競馬だったが、急成長を見せたショウナンパンドラに外を回す安全策が通用しなかったのは、結果的に戦力の突出度がオークス当時との比較で目減りしていたということ。先週の当コラムで唱えた種牡馬ハーツクライの3歳秋鬼門説を適用すれば、恐らく同等の人気を集めるであろう今週のワンアンドオンリーにも絶対視はできない面がある。

 逆転候補としてまず押さえておくべきは、現役時から尾を引いていたハーツクライ・コンプレックスを、ショウナンパンドラで払しょくした種牡馬ディープインパクトのブランドパワーだろう。神戸新聞杯はそろって完敗だったサトノアラジン、トーセンスターダムだが、前者は3代母の父が長く菊花賞の最重要血脈とされてきたニジンスキーで、後者は秋の天皇賞馬にして春の天皇賞2着馬トーセンジョーダンのおいにあたる血統。どちらにも3000メートルを乗り切るだけのスタミナは潜在しており、特に後者は3戦全勝の京都コースで一変しても不思議ではない。

 もう1頭、意外に盲点になりそうな“関連銘柄”がヴォルシェーブ。米G3デラローズHなど英米で7勝を挙げた母のヴェイルオブアヴァロンは、ディープインパクトの5歳違いの姉。つまりヴォルシェーブは、当然ながら9年前の菊花賞馬でもある3冠馬のおいにあたる血統なのである。

 秋華賞のショウナンパンドラは、2番人気に推されていたレッドリヴェールの父ステイゴールドのめいでもあった。ステイゴールド目線で言えば、不発に終わった娘の代役をめいが務めたということになる。2週連続の意趣返しを狙う種牡馬ディープインパクトだが、今週はおいっ子も交えた2段構えの強力布陣。“ハーツクライ包囲網”は万全だ。

(サラブレッド血統センター)

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