藤井正弘の血統トピック

【NHKマイルC】ショーモン 最重要血脈、父系フレンチデピュティの爆発力

[ 2023年5月3日 05:30 ]

 出走予定馬の中で重賞2勝を挙げているのはドルチェモア(朝日杯フューチュリティS、サウジアラビアRC)とオオバンブルマイ(京王杯2歳S、アーリントンC)の2頭。東西のトライアルで明暗を分けた両馬には、母の父ディープインパクトという共通項がある。牡牝の第1冠では不発に終わった「母の父ディープインパクト」だが、現3歳世代はマイル部門に戦力を集中させたという見方もできるだろう。

 昨年、18番人気で3着に食い込んだカワキタレブリーは母の父ディープインパクトだった。父の父としても20年優勝のラウダシオン(9番人気)、21年2着ソングライン(7番人気)で示した孫世代の穴属性を踏まえると、怖いのは“第三のBMSディープインパクト”ショーモン。ケンタッキーダービーに挑むデルマソトガケと同じマインドユアビスケッツの初年度産駒である。

 ドバイゴールデンシャヒーン連覇のイメージが鮮烈なマインドユアビスケッツだが、種牡馬としては芝、ダート兼用、距離の守備範囲も広い万能型。血脈に潜む爆発力は前記デルマソトガケのUAEダービーでも実証されている。父系の祖デピュティミニスターは、NHKマイルCの最重要血脈として再三取り上げてきたフレンチデピュティの父。今週末は日米時間差で父の産駒の激走が見られるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

 ▽マインドユアビスケッツ 25戦8勝(G1・3勝)。米国産。18年に引退して19年に社台スタリオンステーションで種牡馬入り。種付け料は当初200万円で、23年から400万円。父ポッセも、母の父トセットもデピュティミニスター系。デピュティミニスターはカナダの2歳チャンプで種牡馬としても成功。ただ現在の同系統は、米国種牡馬リーディングではゴーストザッパーの名が上位にある程度で日本での活躍が目立っている。

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