藤井正弘の血統トピック

ゴールデンバローズ タピット系の爆発力期待、ディープインパクト後継の伏兵勢も粒ぞろい

[ 2023年8月30日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(10)】
 シリーズ最終回は産駒数40頭以下のインディーズ系から掘り出し物を探してみよう。

 ゴールデンバローズ(父タピット)はヒヤシンスS優勝、UAEダービー3着と、世代限定のダートで才気を発揮した米国産のマル外。初年度産駒は9頭だが、岩手デビューのフジユージーンが水沢のビギナーズCでデビュー3連勝を飾り、ルーキーサイヤーの重賞勝ち一番乗りを果たした。タピット系の神髄は一触即発の爆発力。岩手で向かうところ敵なしのフジユージーンには全国レベル進出を期待したい。

 キタサンミカヅキ(父キングヘイロー)はJRAオープンから7歳時に南関東に転じ、東京盃連覇、東京スプリントのダートグレード3勝をマーク。9歳時のアフター5スター賞3連覇で現役生活を締めくくった。近年は母の父として存在感を放つキングヘイローの貴重な後継種牡馬。12頭の初年度産駒からは、早くも地方で3頭の勝ち馬が出ている。種牡馬としてもダート短距離の一芸型。自身同様、産駒も南関東のスプリント路線がターゲットだ。

 ディープインパクト後継は伏兵勢も粒ぞろい。朝日杯FS勝ちのサトノアレス(産駒数18頭、以下同)、青葉賞勝ちの日本ダービー3着馬アドミラブル(34頭)、マイルG32勝のミッキーグローリー(29頭)、スプリントG32勝のアレスバローズ(6頭)といった重賞ウイナーもさることながら、サプライズの可能性なら産駒数22頭のヘンリーバローズ。競走成績は後の日本ダービー馬ワグネリアンに惜敗した新馬と4馬身圧勝の未勝利の2戦のみだが、同じく重賞未経験で種牡馬入りした全兄シルバーステートは今や種付料600万円のトップサイヤーに上り詰めている。2匹目のドジョウがいるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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