藤井正弘の血統トピック

“戦国時代”の新種牡馬評価は長期的な視点で

[ 2023年6月28日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(1)】恒例の夏季集中連載企画「2歳新種牡馬紹介」。第1回は各種統計データから今年のルーキーサイヤーを俯瞰(ふかん)してみよう。

 国内供用による血統登録産駒が今年、北半球暦で初めて2歳に達した種牡馬は37頭で、産駒の総計は1376頭。直近10年の最多を記録した昨年との比較でも前者が6頭、後者は54頭減にとどまった、血統市場におけるルーキーサイヤーのシェアが高水準で推移していることに変わりはない。

 父系別種牡馬数はヘイルトゥリーズン系18頭、ノーザンダンサー系10頭、ミスタープロスペクター系5頭、ナスルーラ系4頭。父系別産駒数ではヘイルトゥリーズン系491頭、ノーザンダンサー系453頭、ミスタープロスペクター系249頭、ナスルーラ系183頭となる。ドレフォン、マインドユアビスケッツと、2年連続で新種牡馬チャンピオンが出たノーザンダンサー系からは、今年も大物輸入種牡馬ブリックスアンドモルタルがラインアップされた。

 種牡馬単位の産駒数はレイデオロの128頭が最多。以下、モーニン118頭、前記ブリックスアンドモルタル107頭、ニューイヤーズデイ102頭、カリフォルニアクローム98頭、サンダースノー92頭、シュヴァルグラン89頭、スワーヴリチャード82頭と続く。ちなみに昨年、産駒数最多だったサトノクラウンは、新種牡馬リーディングでは5位と伸び悩んだものの最終的にダービーサイヤーとなった。“種牡馬戦国時代”のルーキーには長期的展望が必要ということだろう。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る