藤井正弘の血統トピック

【皐月賞】ワンダイレクト 唯一の母父ディープインパクトに一発期待

[ 2023年4月12日 05:30 ]

 ディープインパクト産駒のいない皐月賞は13年ぶり。過去12世代で3勝という牡馬の第1冠は、クラシックの中で種牡馬ディープインパクトの支配力が最も弱いタイトルではあるのだが、12年にわたってフルゲート18頭の出走枠を一定の割合で占有してきた不動のチャンピオンサイヤーの不在が今回のカオスを誘発したことは間違いない。

 空白になった「ディープインパクト枠」を埋めたと考えられるのは3頭出しのロードカナロアとシルバーステート、2頭出しのハービンジャー。いずれも昨年、産駒の出走がなかった種牡馬である。ロードカナロアは4年前、ディープインパクトが種付けを中止した時点での最高種付け料(1500万円)サイヤーであり、シルバーステートは父の地盤をそのまま継承した形。ある意味で順当な世代交代といえる。

 イレギュラーとして注目すべきはハービンジャー。産駒の皐月賞出走は19年ニシノデイジー以来、実に4年ぶりとなる。実績上位のファントムシーフは、父系祖父ダンシリと祖母プロミシングリードが同血のいとこ同士というマニアックな近親交配でも話題だが、トライアル3着のワンダイレクトも要チェック。今年の出走馬で母の父からディープインパクトの血を引く唯一の馬。父として皐月賞から撤退した大種牡馬の新展開を示唆することになるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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