藤井正弘の血統トピック

アルアイン 中距離適性プラス穴気質も、ロジャーバローズ 一発大駆け継承ある

[ 2023年8月16日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(8)】
 アルアイン 2014年生まれ 鹿毛 安平産 父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ(母の父エッセンスオブドバイ)中央・香港で20戦5勝 主な勝ち鞍は皐月賞、大阪杯、毎日杯 2歳産駒66頭

 1分57秒8の皐月賞レコードホルダー。単勝9番人気のダークホースだった17年皐月賞で中団追走から直線、馬群をこじ開けるように抜け出し、イン強襲のペルシアンナイトに首差で競り勝った。その後は善戦止まりのレースが続き、2年近く勝利から遠ざかったが、再び単勝9番人気と人気を落とした19年大阪杯では、内を突いて早めに先頭に立ち、同期の菊花賞馬キセキ以下の追い上げをしのぎ切った。4歳違いの全弟シャフリヤールの日本ダービー制覇によって遺伝面の信頼度は一段と増した。産駒にはG12勝の2000メートル適性とともに特異な穴気質も伝わるか。

 ロジャーバローズ 2016年生まれ 鹿毛 新ひだか産 父ディープインパクト、母リトルブック(母の父リブレッティスト)中央6戦3勝 主な勝ち鞍は日本ダービー 2歳産駒61頭

 第86代日本ダービー馬。京都新聞杯2着で賞金を加算して臨んだ19年日本ダービーは、単勝12番人気と軽視されていたが、離れた2番手追走から早めのスパートで押し切り、2分22秒6のレースレコード(当時)を樹立した。単勝9310円はグレード制導入後の日本ダービー最高配当。凱旋門賞挑戦に向けての調整中に屈腱炎を発症し、結果的にダービーがラストランとなったのは惜しまれる。こちらは3冠牝馬ジェンティルドンナのいとこにあたる血統。今年のディープインパクト後継は期せずして穴メーカーのそろい踏みとなったが、現役時同様、種牡馬としても一発大駆けがありそうだ。 (サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る