藤井正弘の血統トピック

クラシック戦線大不振ドゥラメンテ産駒の激走あるか

[ 2024年3月13日 05:30 ]

 先週の当欄でも触れたが、24年クラシック戦線の血統的な“無政府状態”の一因に挙げられるのがドゥラメンテ産駒の大不振。昨年の2歳リーディングでは27位と、前年の2歳チャンピオンサイヤーとしては屈辱的なランクダウンを記録していた種牡馬ドゥラメンテは、年が明けても一向にギアが上がらず、2歳リーディングの延長戦である21年産世代リーディングでも3月10日現在、20位に低迷している。ちなみに現3歳のドゥラメンテ第4世代の血統登録産駒は118頭で、同時期にG1馬2頭を含む4頭のグレード勝ち馬が出ていた第3世代(血統登録122頭)と量的にはほとんど変わらない。にもかかわらず、クラシック候補どころか、いまだにオープン馬も不在なのである。

 ドゥラメンテが急死したのは、現3歳世代の出産シーズンが終わった後の21年8月31日だった。急転直下で最も若い“遺児”となったことが、当歳馬の育成に何らかの影響を及ぼしたという仮説もひねり出せるのだが、ディープインパクトはサンデーサイレンスの没年生まれ。「死んだ種牡馬の子は走る」というオカルティックな競馬格言は、経験則の積み重ねでもある。自身の死後に2年連続で牝馬クラシックを独占したドゥラメンテの場合も、このままフェードアウトしていくとは到底考えられない。

 今週のフラワーCにはマルコタージュとミアネーロが出走予定。“桜花賞3連覇”に望みをつなぐ激走があるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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