藤井正弘の血統トピック

シャンハイボビー 爆発的なスピード継承へ、デクラレーションオブウォー“三刀流”適応力武器

[ 2022年8月3日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(6)】シャンハイボビー 2010年生まれ 黒鹿毛 米国産 父ハーランズホリデー、母スティーリン(母の父オリエンテイト)北米で8戦6勝 主な勝ち鞍はBCジュベナイル、シャンペンS 2歳産駒67頭。

 デビュー5連勝でBCジュベナイルを制した12年エクリプス賞2歳牡馬チャンピオン。3歳時は骨折のため不完全燃焼に終わったが、14年からシャトルサイヤーとして供用されると、15年生まれの初年度産駒から南米でG1級が続出。電光石火の早業でアロースタッドに導入された。既にチリ、ブラジル、ウルグアイの3カ国で2歳チャンピオンを出しており、アメリカでも第2世代のBCスプリント2着馬シャンスロットが後継種牡馬となった。日本では輸入産駒のマリアズハートがオープンで活躍中。爆発的なスピードは次世代にも確実に伝わっている。

 デクラレーションオブウォー 2009年生まれ 鹿毛 米国産 父ウォーフロント、母テンポウエスト(母の父ラーイ)英・愛・仏・北米で13戦7勝 主な勝ち鞍はインターナショナルS、クイーンアンS 2歳産駒88頭。

 芝でG1・2勝、オールウエザーでG3を含む3戦全勝、ダートでも最高峰のBCクラシックで小差3着という“三刀流”を実践したオールラウンダー。種牡馬としてはさらに多面性に磨きがかかり、現役時に無縁だった2歳戦、クラシック、長距離部門でもG1ホースを送り出している。ウォーフロント後継輸入種牡馬では昨年産駒デビューのアメリカンペイトリオットがグレードサイヤーとなっており、日本の競馬環境への適応力は十分。即戦力の期待に見合う成果を上げられるはずだ。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る