藤井正弘の血統トピック

好調モーリス産駒 3冠路線でも躍進予感

[ 2023年6月14日 05:30 ]

 先週末から函館でも開幕したJRA2歳戦。恒例の夏季集中連載で取り上げる予定の新種牡馬では、米芝王者ブリックスアンドモルタルが阪神と東京で新馬勝ち馬を連発したが、それ以上のスタートダッシュを決めたのが産駒デビュー4年目を迎えたモーリスだ。東京開幕週の芝1600メートル戦を記録的大差で制したシュトラウスに続き、11日も東京芝1800メートルでダノンエアズロック、阪神芝1200メートルでミルテンベルクがデビュー勝ち。ちなみに6月中に新馬勝ちを収めた産駒は過去3世代合わせて3頭だったのだから、これはちょっとした異変といえる。第4世代にしてようやく、競走馬として無縁だったクラシックを見据えた産駒育成のノウハウが確立されたということかもしれない。

 セレクトセール史上3番目に高価な新馬勝ち馬(税込み4億9500万円)となったダノンエアズロックは、母がVRCオークス、オーストラリアンギニーなどG14勝のモシーンで、マイルG33勝のプリモシーンの半弟。現在のところ父の最高傑作はヴィクトリアダービー、オーストラリアンギニー、オーストラリアンダービーの歴史的G13連勝を達成し、今年からアローフィールドスタッドで種牡馬入りした豪州産第1世代ヒトツだが、同馬とは母の父がデインヒル後継の豪チャンピオンサイアーという点でも共通する。今度は日本の3冠路線においても種牡馬モーリスとオーストラリア血統の高い和合性が実証されることになりそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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