藤井正弘の血統トピック

大障害コースで躍動するオジュウチョウサン産駒を期待

[ 2023年2月8日 05:30 ]

 昨年の中山大障害6着を最後に現役を退いたオジュウチョウサンが日高町のYogiboヴェルサイユリゾートファームで種牡馬生活に入る。J・G1・9勝を含む障害重賞15勝を挙げ最優秀障害馬に5回選出された歴史的名ジャンパーは、障害戦からのコンバートという異例のルートで平地に挑み、7歳時の有馬記念で0秒8差9着、8歳時のステイヤーズSでは0秒4差の6着と二刀流ステイヤーでもあった。受胎条件100万円に設定された種付料は今年から種牡馬入りしたグローリーヴェイズ、ジャンダルムの平地G1ウイナーと同額。“絶対王者”にふさわしいVIP待遇といえるだろう。

 今年12歳のオジュウチョウサンは通算15頭目のステイゴールド後継種牡馬となる。ちなみに父ステイゴールドのJRA現役牡馬は、最も若い8歳のオープン馬マイネルファンロンなど7頭を残すのみで、この先、直子が種牡馬入りする可能性は小さい。ステイゴールド直系のアンカーという点でも注目すべき存在だ。

 種牡馬の父としてのステイゴールドの長打力は、クラシックサイヤーとなったオルフェーヴル、ゴールドシップによって実証された。極めて非科学的な考察になるのだが、ステイゴールド自身がそうであったように、この父系には競走馬として得た人気や名声をそのまま遺伝力に変換する特殊能力が備わっているようにも思える。大障害コースで“父子2代”に挑む二世の雄姿を心待ちにしたい。 (サラブレッド血統センター)

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