藤井正弘の血統トピック

リアルスティール ディープインパクト後継の中でも最上級のエリート血統

[ 2022年7月13日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(3)】リアルスティール 2012年生まれ 鹿毛 安平産 父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー(母の父ストームキャット) 中央・UAEで17戦4勝 主な勝ち鞍はドバイターフ、毎日王冠、共同通信杯 2歳産駒110頭。

 ディープインパクト第5世代牡馬の一枚看板として15年のクラシックを戦い、皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着と、この年の3冠すべてで掲示板を確保した唯一の馬となった。最初で最後のG1制覇は4歳春のドバイターフ。初コンビのライアン・ムーア騎手の手綱で鮮やかに差し切り、国際級のポテンシャルとともに1800メートルでのスペシャリスト的な強さを実証している。以後の勝ち鞍は5歳時の毎日王冠のみだが、モーリスの2着となった4歳秋の天皇賞、隔年優勝に挑んだ6歳時のドバイターフ3着など、4年にわたって第一線で活躍。ちなみに円換算9億円を超す獲得賞金は、3冠馬コントレイルに次ぐディープインパクトの牡馬歴代2位である。

 3代母ミエスクは英、仏1000ギニー、BCマイルなどG1・10勝の歴史的名牝で、祖母モネヴァッシアは大種牡馬キングマンボの全妹。当代随一のG1ニックスとして知られる父と母の父の組み合わせを含め、あまたのディープインパクト後継の中でも最上級のエリート血統といえる。全妹ラヴズオンリーユーが昨年、北米芝牝馬の頂点を極めたことにより、遺伝面での信頼性もさらにアップ。産駒の初動は意外に鈍いが、今年のセレクトセールでも高額取引馬が続出しており、ブランドパワーに陰りはない。種牡馬としての本領はおそらく、自身が勝ち切れなかった2000メートル以上の距離。もちろん最重要ミッションは、すべて“隔世2代”となる牡馬3冠だ。(サラブレッド血統センター)

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