藤井正弘の血統トピック

衝撃のサラフィナ導入、決め手はデインドリーム!?

[ 2012年1月18日 06:00 ]

 社台スタリオンステーションで繋養(けいよう)されていたチチカステナンゴが13日、せん痛のため死んだ。産駒のヴィジオンデタが仏ダービーに優勝した08年暮れにトレードされ、09年152頭、10年153頭、11年147頭と安定した需要をまかなってきた人気種牡馬。恐らく150頭を超える繁殖牝馬の今年の交配プランが白紙になったわけだが、特にチチカステナンゴの場合、サンデーサイレンス系牝馬との交配が可能なカロ父系であることに加え、母の内蔵するノーザンダンサー2×3という特異なインブリードも配合馬選定の際のメリットだったと思われる。社台グループはもちろん、これは馬産地全体にとって相当な衝撃だろう。

 翌々日の15日、ヴィクトワールピサの引退式で吉田照哉氏が公表したサラフィナ導入は別の意味で衝撃的だった。昨年の凱旋門賞で1番人気(7着)に支持された同馬は仏オークス、サンクルー大賞典などGレース通算5勝を挙げ、2011年度のワールドサラブレッドランキングではI(中距離)部門でスノーフェアリーに次ぐ牝馬2位タイの121Pを得た大物である。第一報を出した英国のレーシングポスト紙によれば、ディープインパクトのお相手候補とのことだ。

 サラフィナの血統で興味深い点は祖母の父トップヴィル。昨年、吉田氏がシェアを獲得した後に凱旋門賞馬となったデインドリームは、トップヴィルの父ハイトップが祖母の父だった。個人的にはこの血脈が“大人買い”のトリガーだったと深読みしている。(サラブレッド血統センター)

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