藤井正弘の血統トピック

地方でノーリーズン産駒に脚光

[ 2011年6月8日 06:00 ]

 今週は「ダービーウイーク2011」。6日の佐賀を皮切りに、門別、大井、園田、名古屋、週をまたいで13日の盛岡と、全国6つの地方競馬場で各エリアのダービーに相当する重賞競走が集中的に行われる。

 開幕戦となった6日の九州ダービー栄城賞は、02年の皐月賞馬ノーリーズン産駒のコスモノーズアートが制した。中央3戦未勝利で佐賀に転じたコスモノーズアートは、愛知杯2着などオープンで活躍したラティール(父タマモクロス)の13歳違いの半弟。休養中の大物ウルトラカイザーに代わって、九州代表として7月13日のジャパンダートダービーに駒を進めてくるかもしれない。

 8日の東京ダービーにもノーリーズン産駒がエントリーしている。鎌倉記念勝ちのキスミープリンス(浦和・小久保厩舎)。2番人気に支持された前走の羽田盃は、直前の乗り代わりも影響してデビュー以来初の着外に終わったが、ダートグレードの全日本2歳優駿でも3着に健闘した南関東エリア屈指の強豪である。

 09年限りで種牡馬を引退したノーリーズンだが、ブライアンズタイム×ミスタープロスペクター牝馬という配合は地方現役最強馬フリオーソと同じで、血統的にはダートサイヤーとして再生の可能性を秘めていた。現実に3歳世代からはJRAでも2頭の勝ち馬が出ている。東日本大震災で避難生活を余儀なくされた「被災馬」としてではなく、今度は産駒の活躍でその名がクローズアップされることになりそうだ。(サラブレッド血統センター)

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