羽生九段のリードを確かなものにした▲5六の自陣角 王将戦挑戦者決定リーグ最終局

[ 2022年11月23日 05:10 ]

第72期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ最終局 ( 2022年11月22日    東京・将棋会館 )

サッカーボールを手に、挑戦者として意気込む羽生九段(撮影・河野 光希)
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 【関口武史・明暗この一手】羽生九段の挑戦なるか。注目の一戦は角換わりに進み、両者が早々に19手目▲3七桂、△7三桂と跳ね合い一触即発の緊張感が漂う。

 序盤戦は豊島の△6五桂を防いだ羽生の23手目▲6六歩と直後の▲4五桂の組み合わせが注目。直後に豊島に誤算があり、形勢の針は羽生に傾く。

 中盤戦では羽生が放った49手目▲5六角(A図)の自陣角が絶品の一手。序盤の▲6六歩も自陣角の配置によって生き生きと輝いている。攻めては後手陣の急所の金を狙う▲3四歩、受けては△2九飛を防ぎつつ遠く8九桂にもひもを付けている。攻防の名角によって羽生がリードを確かなものにした。

 終盤戦もこの角が活躍する。53手目▲7八角と押し込まれたが3筋に照準を絞り▲3五歩~2五桂と右辺を制圧する礎となし、▲2三角成から挟撃を完成させ豊島王を制した。(スポニチ本紙観戦記者)

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