斎藤慎太郎八段 2年連続名人挑戦を決める 豊島九段に勝利し8戦全勝

[ 2022年2月5日 02:04 ]

順位戦A級8回戦で豊島将之九段と対戦する斎藤慎太郎八段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の渡辺明名人(37)=王将、棋王含め3冠=への挑戦権を争う第80期名人戦のA級順位戦が4日、東西の将棋会館で指され、トップの斎藤慎太郎八段(28)が豊島将之九段(31)に151手で勝利した。8勝0敗とした斎藤に対し、2番手の糸谷哲郎八段(33)は佐藤天彦九段(34)に113手で敗れ、5勝3敗。3月3日の最終9回戦を待たずに斎藤の2年連続挑戦が決まった。

 「順位は“できすぎ”くらい。本局は中盤に厳しい課題を感じた。一応最後まであきらめずに指そうという覚悟でした」

 激しく形勢が揺れ動いた中終盤。名人再挑戦が決まり、「結果を出せたことは良かった」と手応えを示したが、7番勝負の相手は昨年初戦に勝って以降4連敗した渡辺。「2日制の課題を感じたのであれば2日制に出るしかない。チャンスが来たのは楽しみ」と意気込みを語った。

 10人が総当たりで挑戦権を争う同級。この日斎藤が勝つか、糸谷が敗れると2年連続の挑戦が決まった。斎藤は昨年、渡辺に初挑戦して1勝4敗で敗退。全8冠中、最古の歴史を誇る名人戦における連続挑戦は12、13、14年の羽生善治九段(51)以来だった。

 対局は午前10時、大阪・関西将棋会館で始まり、斎藤の先手で戦型は角換わり。昼食休憩前までに50手進み、斎藤王の頭上、4段目に豊島の歩が並んだ。

 斎藤の受け、豊島の攻めという展開が夕食休憩後も続いた。同会館の別室で行われた糸谷戦が午後10時46分、糸谷の投了で終局。その時点で名人挑戦が決まったが、結果を知らない斎藤はもちろん勝利を目指して指し続け、日付をまたいだ5日午前1時4分、豊島が投了した。

 斎藤と研究会を共にする十七世名人資格保持者の谷川浩司九段(59)は、5期の名人獲得経験を踏まえ「内容的に安定していた。前期名人戦に敗れ、気持ちを立て直すのは大変ですがたくましくなっています」。名人戦敗退後、A級で再び挑戦権を勝ち取った心技体を称えた。

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2022年2月4日のニュース