尾上松也「基本的に主役になれない」 過去の葛藤を吐露、心を支えた名曲とは…

[ 2022年2月4日 21:50 ]

歌舞伎俳優の尾上松也
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 歌舞伎俳優、尾上松也(37)が4日放送のTBS「この歌詞が刺さった!グッとフレーズ」(後7・00)にVTR出演し、歌舞伎俳優として抱いていた葛藤を吐露。心の支えとなった楽曲の存在も明かした。

 数ある名曲の「心に刺さった歌詞」に注目する番組。松也が自身の背中を押してくれた曲として紹介したのが、尾崎豊さんの「僕が僕であるために」だった。芸が代々受け継がれることの多い歌舞伎界だが、松也のケースは「父親が好きで始めた。歴史としてはすごく浅い」。そのため「よい役っていうのはつかないんですよ、本来。主役には基本的にはなれない」といい、「自分自身、主役をやれるような役者になりたいなって思っていた」と、過去の心情を振り返った。

 20歳の時に父親が他界した。「歌舞伎界というところで、父親の後ろ盾がなくなるっていうのは自分の中では大きかった」とポツリ。母親、8歳下の妹を支える立場となり、「働いているのは僕だけになっちゃうので。何を選択してどう生きるべきか。家族もいるし自分の思いも含めた上で、どうやって選択すべきかっていうところをすごく悩んだ」と語った。

 そんな時期に「僕が僕であるために」を頻繁に聴いた。同曲の「僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない」が、心に刺さったフレーズだ。「他の歌詞を度外視して、サビばっかり聴いていました。まさにそうじゃないですか。目的、目標を達成するためって勝ち続けていないとそこには行き着けないわけで」と、しみじみ話した。

 父親が実現できなかった「主役」を演じるため、奮闘した。下積時代は「いろんな端役をやりながら先輩から(芸を)盗んでいかなきゃいけない時期」だったが、「周囲と同じことをしても後れを取ってしまう」と感じた。歌舞伎俳優でありながら、歌舞伎以外のオーディションを受けるという異例の日々を過ごしたそうだ。

 オーディションで役を勝ち取り、演技派として数々のドラマに出演。周囲にも認められ、23歳で歌舞伎界の舞台で主役を張るという夢を実現した。松也は「その(稽古の)時間を削ってでもオーディションとかを受けて、ドラマの1シーンでも出られるんだったらって思って。出なきゃ現実的に主役を演じるのは難しいというのは、目に見えていたので」と、下積み時代について話していた。

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2022年2月4日のニュース