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“AI流”藤井四段も歩む道 棋界の知られざる常識とは?

藤井四段も今後、上座下座で悩ましい選択があるかも
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 最多連勝記録を更新する29連勝を達成した藤井聡太四段(14)の活躍で注目が集まる将棋界。その本拠地・関西将棋会館(大阪市福島区)で一般に知られていない棋界の常識を調べた。持ち前の終盤力だけでなく、ソフトの活用で序中盤も急成長中の「AI流」藤井がこれから直面する上座下座など棋界の作法、食事、学校などを取り上げる。

◆食事 昨年電子機器の不正利用防止で外出禁止に

 勝敗と共に欠かせないのが食事報道だ。持ち時間6時間の対局なら2〜3キロ減る体重。深夜までの対局では昼夕2食を出前で取る棋士も多い。連盟では昨年12月、スマートフォンなど電子機器の不正利用を防止するため、外出禁止などの規則を設けた。ただ、食事を気分転換にしてきた棋士は多く、畠山は羽生が東京・千駄ケ谷にある将棋会館での対局時、渋谷まで30分かけてサンドイッチを買いにいったと紹介。「脳の活性化のためにも歩いた方がいいけれど…」と措置を残念がった。

◆学校 棋士の本音は「“学校へいっている時間がもったいない”感覚」

 名古屋大教育学部付属中に通う藤井。義務教育との負担を懸念する声は多く、事実、深夜に終局した大阪での対局翌日、朝一番で学校へ向かったこともあった。

 畠山は同じく中学生棋士だった羽生を回想。大阪での対局後、関西将棋会館に泊まり込んでさらに若手棋士と持ち時間10秒の練習将棋。寝ずに朝一番で帰京して授業に出たという。畠山は奨励会員のまとめ役、奨励会幹事も経験。「“学校へいっている時間がもったいない”感覚。将棋がやりたかった」と棋士の本音を明かした。

◆上座下座 明確規定はないがタイトルホルダーが上座に

 対局は畳に将棋盤を置き、座布団に正座で指す。その和室に付き物なのが上座下座だ。

 上座。和室では床の間に最も近いか、床の間がなければ入口から最も遠い場所を指す。ここにどちらが座るか、日本将棋連盟に明確な規定はない。

 タイトルホルダーは上座につく。タイトルホルダー同士ならその数、また全8冠も賞金順に序列がある。無冠同士なら段位、実績、棋歴が上の棋士が上座だ。

 では棋歴とは何か。生年月日か棋士養成機関の奨励会入会か、プロになる四段昇段か。物差しが多いから対局前、「どうぞ、どうぞ」と上座を譲り合うやりとりが数分繰り広げられる。

 「自分は分かりやすい。羽生善治3冠、渡辺明2冠、佐藤天彦名人。それ以外なら上座です」。久保利明王将は3月、6期ぶりに復位して迷う必要がなくなったが、「(王将奪取前は)気疲れしました」と苦笑い。棋士会副会長の畠山鎮七段は「これから規定を作るのも味気ない」と指摘。久保が困惑する上座の譲り合いを「気遣い」と肯定し、日本的精神の表れとする。

 物議を醸した事件があった。1994年、当時4冠だった羽生は名人挑戦権を10人で争うA級順位戦に初参戦し、残り2局。相手は先輩の中原誠前名人と谷川浩司王将だった。

 対局場へいずれも先着した23歳は共に上座についた。そして谷川とのプレーオフでも再び上座へ。挑戦権を獲得するが、3連続上座奪取事件を「非礼」と非難され、後日謝罪文を出す。4冠を保持したことで上座は自分と思い込んでいたというのだ。

 では、藤井はどうか。王将戦と棋王戦で中学生タイトルの可能性がある。十代で複数タイトルだって。洋々の前途には、悩ましい選択が待ち受けるかもしれない。

[ 2017年7月11日 10:00 ]

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